Facebookの最高経営責任者(CEO)Mark Zuckerberg氏は米国時間1月11日、Facebookのニュースフィードを大幅に刷新し、ブランドやパブリッシャーよりも友人や家族の投稿を優先すると述べた。
つまり、ニュース記事やバイラル動画などのメディアコンテンツが表示される割合は減り、叔母や幼なじみ、同僚の赤ちゃんの写真や近況報告などを目にする機会が増えるという。Facebookの真髄とも言えるニュースフィードだが、この数年間で最も大きな変更となる。
ユーザーがより「有意義に交流」できるようにし、Facebookを使う時間がユーザーにとって決して苦痛にならないようにする狙いがある。Facebookは2017年12月、Facebook上のコンテンツをユーザーがどのように利用しているか、またその行動がもたらす影響に関するレポートを公開した。受動的にスクロールして内容を読むことには負の影響がある一方で、投稿に「いいね!」をしたりコメントを書いたりするといったよりインタラクティブな行為は好影響をもたらす可能性があることが明らかになったという。
Zuckerberg氏は自身のFacebookページへの投稿で、「当社のサービスを、使って楽しいというだけでなく、人々の幸福に好影響を与えるものにする責任を感じている」と記している。「私は、当社の製品チームに課す目標を変更し、ユーザーが関連コンテンツを見つけられるように支援することから、より意義深いソーシャルな交流を交わせるように支援することに力を入れるように求めた」
同氏は、今回の変更の結果、Facebookのビジネスは短期的に打撃を受ける可能性があることも認めた。パブリッシャーや企業などのブランドは、Facebookのニュースフィードを情報配信の手段として利用している。
Zuckerberg氏は、「今回の変更によって、ユーザーがFacebookを使用する時間や、エンゲージメント関連の一部の指標は低下すると思う」としている。「しかし、ユーザーがFacebookで過ごす時間の価値は高まるとも考えている」
ビジネスに負の影響が生じる可能性を同氏が認めたことで、12日午前のFacebook株価は4%以上下落した。
しかし、そうした懸念は行きすぎとの見方もある。Evercore ISIは12日に投資家らに宛てたメモで、心強い見解を示した。
Evercoreのアナリストは、「Facebookは、エンゲージメントと引き換えに、高品質なユーザーエクスペリエンスを得ようとしているようだ」とし、「Facebookは強い立場から戦略的判断を下しており、最終的には、発表された今回の変更が、長期的な好影響を及ぼす可能性は高いとわれわれは見ている」と述べた。
混乱を招いたとしてもこれは重要な動きだと、Facebookが考えているのは明らかだ。
Zuckerberg氏は、「正しいことを行えば、長期的にはコミュニティーとビジネスにも好影響を与えることになると私は信じている」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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