もともと10代女子は、SNSにおけるコミュニケーションにかなり気を使う子が多い。ある女子大学生は、「LINEの既読スルーが気になってしまうので、やり取りは絶対に自分で終わるようにがんばっている。やり取りが内容的に完全に終わっていても、意味がないスタンプを送ってでも自分が最後になるようにする」という。
「既読スルーや未読スルーが気にならなくなってきた、自分もよくやる」という子もいる中で、同じくらいの割合で気にしている子はいるのだ。相手の投稿を読んだのに返事をしない「既読スルー」状態となってしまうことで、相手を心配させたり、不快な気持ちにさせて嫌われてしまったりすることが怖いのだ。
過去に当連載で「言い訳ハッシュタグ」について解説したが、こちらも根っこは同じだ。かっこいい綺麗な写真は投稿したい。けれど嫌われたくないからこそ、バランスをとるために共感を持たれるようなハッシュタグをつけていた。
そこから一歩進んだのが、インスタ萎えなのではないだろうか。インスタ映えに食傷気味となりキメすぎた写真はかっこ悪いという気持ちと、キメすぎた写真を投稿して嫌われたくないという気持ちの現れだろう。
「インスタ萎えって逆にインスタ映えじゃね」というツイートを見かけた。一部の敏感な10代の子たちにおける最新のInstagramのマナーがインスタ萎え、というわけだ。
相手の気持ちに敏感なことは悪いことではないが、気を使いすぎると何もできないし疲れてしまうだろう。インスタ映えの世界に疲れている10代の子たちがいたら、たまにはスマホを置いて周囲の目を気にせず過ごすようアドバイスしてあげてほしい。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/
Twitter:@akiakatsuki
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