MicrosoftはAMD製プロセッサを搭載する一部のデバイスに対し、緊急の「Windows」更新プログラムの配信を一時停止した。一部のコンピュータで、パッチをインストールした後に再起動できない問題が生じたためだ。
今回のWindows更新プログラムには、SpectreとMeltdownという、端末のCPUに対するハッキング攻撃に利用される恐れのある脆弱性に対する修正が含まれていた。再起動できなかったPCには、AMD製のプロセッサが搭載されていた。AMDは、Spectreの影響を受ける製品のチップ製造元3社のうちの1社だ。
Microsoftは同社のサポートウェブサイト上で、今回の脆弱性の影響を受けるAMD製プロセッサを搭載するデバイスに対し、以下のWindows更新プログラムの配信を一時的に停止することを明らかにした。対象となるのは、米国時間1月3日から9日にかけて配信されたKB4056897、KB4056894、KB4056888、KB4056892、KB4056891、KB4056890、KB4056898、KB4056893、KB4056895。
「MicrosoftはAMDと協力し、この問題を解決するとともに、影響を受けるAMDデバイスに対し、Windows更新プログラムとWindows Server Update Services(WSUS)によるWindows OSセキュリティ更新プログラムの配信をできるだけ早く再開できるよう取り組んでいる」と同社は述べている。
AMDも声明で、有効なアップデートをできるだけ早く提供するためにMicrosoftと連携していると述べ、「AMDは、一部の旧世代のプロセッサで、先週末にかけて発行されたMicrosoftのセキュリティ更新プログラムをインストールした後に生じる問題を認識している」とした。
更新プログラムの配信が一時停止されたことで、チップの脆弱性が明らかになった今回の問題をめぐる混乱は拡大している。この脆弱性がハッカーに利用されると、コンピュータ、スマートフォン、サーバ上のプロセッサから機密情報にアクセスされる恐れがある。この脆弱性が報じられたのは米国時間1月3日のことで、AMD、Intel、Armが、その脆弱性を発見した調査への対応準備を完了する前のことだった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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