グラフィックスチップ大手のNVIDIAは米国時間1月7日、同社の「Xavier」を利用した次世代の自動運転プラットフォームを発表した。Xavierは、自動車向けの人工知能(AI)に賭ける同社が研究開発に20億ドル(約230億円)を費やしたSoC(System on a Chip)だ。
NVIDIAが「世界で最もパワフルなSoC」と呼ぶXavierは、自動車のレーダー、カメラ、LiDAR、超音波システムから取得したレベル5の自動運転データを処理するために設計された製品で、市場で最高の効率性と最小のフォームファクタを実現したという。
Xavierは90億個以上のトランジスタを搭載するほか、独自の8コアCPU、512コアの「Volta」GPU、8KのHDRに対応したビデオプロセッサ、ディープラーニングアクセラレータ、新しいコンピュータビジョンアクセラレータを備え、30ワットの消費電力で毎秒30兆回の演算を実行する能力を持つ。
Xavierが初めて披露されたのは2016年のことだが、NVIDIAによれば、Xavierは同社のソフトウェアプラットフォームである「DRIVE IX」と「DRIVE AR」(この日初めて発表)の基盤であり、この3つの製品すべてが同社のAIコンピューティングプラットフォーム「Pegasus」を構成するという。同社の最高経営責任者(CEO)を務めるJensen Huang氏が、この日の夜にCES 2018で行った基調講演で発表した。
DRIVE IXはAIによる支援を可能にするもので、NVIDIAによれば、自動車メーカーが車のデータをユーザー体験と車の動作制御に活用できるようになるという。このシステムは、車内および車外のセンサから得たデータを分析し、運転者と同乗者の双方に、顔、声、ジェスチャを認識するアシスタント技術を提供する。
一方、DRIVE ARはインフォテインメント用途に対応したシステムで、コンピュータビジョン、コンピュータグラフィックス、およびAIを融合させ、拡張現実(AR)インターフェースを車内で利用できるようにする。NVIDIAはまた、仮想の運転環境をシミュレーションできる「AutoSim」を発表した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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