スウェーデンのネットワーク機器大手、Ericssonが現地時間12月22日、5Gなどの研究のために3億7000万ドル(約420億円)の資金を調達したことを明らかにした。これは21日に5G NRの標準仕様が策定されるなど、5Gの導入に向けた動きが加速していることを受けたもので、具体的にはNordic Investment Bank(NIB)から2億2000万ドル(約250億円)、AB Svensk Exportkreditから1億5000万ドル(約170億円)の資金提供を受ける。
調達した資金は、Ericssonによる5Gなどモバイル技術の研究開発に使われるという。償還期限は、それぞれ2023年と2025年に設定されている。
今回調達した資金のうち、9800万ドル(約110億円)は2019年に満期を迎える予定でNIBから調達されていた既存の借入金を置き換えるものとなる。
「当社は集中的な戦略の一環として、5G、IoT、デジタルサービスにおける技術的優位性を維持するために投資を拡大しているところだ。現時点ですでに、38の事業者が当社と共同で5Gネットワークの開発と準備に携わっている。この数は他のどの企業よりも多い」と、Ericssonの最高技術責任者(CTO)、Erik Ekudden氏は述べている。
今後のサービス見通しについても、Ekudden氏は以下のような見解を示した。「今後数年間で5Gネットワークが世界中で稼働し始め、2020年からは本格的に運用されるはずだ。また、2023年末の時点では、5Gの契約者が10億人に達していると確信している」
「われわれが投資している技術は、技術革新や共同作業、生産、生活、そしてビジネスのあり方を根本的に変化させるだろう」とEkudden氏は結論づけた。
12月だけでも、EricssonはDeutsche TelekomやVerizonといった移動体通信事業者から5Gネットワークの構築業者として選定された。さらにアメリカのテキサス州ではAT&Tと、日本ではKDDIと5Gの試験を実施中だ。また、オーストラリア政府の5G作業部会にも参加している。
また、21日には、標準化団体の3GPPがノンスタンドアローン(NSA)の5G NR(5G New Radio)の仕様の初版を策定したことを受け、5G NRの相互運用実験を実施した。この運用実験には、オーストラリアのTelstra、米国のT-Mobile、Verizon、Sprint、AT&T、日本のNTTドコモ、韓国のSK Telecom、欧州のVodafoneとOrangeなど、各国の移動体通信事業者も参加した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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