メルカリは12月22日、社会実装を目的とした研究開発組織「mercari R4D(アールフォーディー)」を設立したことを発表した。シャープや東京大学など6つの機関とIoTやブロックチェーンなどをテーマに共同研究を進める。
同日の記者発表会で登壇した、メルカリ代表取締役会長 兼 CEOの山田進太郎氏は、「IoTやブロックチェーン、AR・VRなどは、2〜3年後にはかなり我々のビジネスに影響することが容易に予想できる。そういったところをちゃんと追っておくのは、会社として競争力を高めるために重要」と話し、2018年中に数億円規模の投資をする考えであることを明かした。
今回設立したR4Dは、「調査(Research for)」のRと、「開発(Development)」「設計(Design)」「実装(Deployment)」「破壊(Disruption)」の4つのDから構成された名称。(1)外部の企業や教育機関との基礎・応用研究、(2)R4Dによる研究開発・実装、(3)メルカリや子会社のソウゾウ、メルカリファンドによる事業化とスピーディな社会実装、を目指すとしている。
一般的に研究開発組織はR&D(Research & Development)と呼ばれるが、同社ではその多くが試験や調査に留まっていると指摘。メルカリではこれまでも、商品カテゴリの設定や、不正出品の検知などにAIや機械学習を活用してきたが、新たにR4Dを設立することで、最新技術の調査研究に留まらず、研究成果をいち早くサービス化するとしている。
当初の共同研究パートナーは、シャープ 、東京大学、筑波大学、慶應義塾大学、京都造形芸術大学、東北大学。8Kを活用した多拠点コミュニケーションや、無線給電によるコンセントレス・オフィスなど、幅広いテーマについて研究するという。
メルカリは、2013年2月の創業から間もなく5年を迎え、フリマアプリ「メルカリ」のダウンロード数は世界で1億を超えるまでに成長した。従業員数も全世界で750名まで拡大しているという。
山田氏は、UI・UXへのこだわりや積極的なマーケティングが、これまでのメルカリの成長要因であると分析。今後はさらなる成長に向けてAIやIoT、ブロックチェーンなどの「他者を追随させない技術で差別化するフェーズに入った」と話し、その一環としてR4Dを設立したと説明する。
今後は、各種技術のロードマップを作り戦略的に研究・投資するほか、現在100名のエンジニアを3年後に1000名規模まで拡大することで、「日本を代表するテックカンパニー」(山田氏)を目指すとした。
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