ソフトバンクとPCKK、IoTやAI、5Gを活用した公共インフラの設計・開発で業務提携

 ソフトバンクとパシフィックコンサルタンツは12月14日、各種IoTデバイスから取得したデータなどを組み合わせてAI(人工知能)で分析し、最適な公共インフラの設計や開発を共同で実施することで業務提携したと発表した。

ソフトバンク 代表取締役副社長 兼 COOの今井康之氏とパシフィックコンサルタンツ 代表取締役社長の高木茂知氏
ソフトバンク 代表取締役副社長 兼 COOの今井康之氏とパシフィックコンサルタンツ 代表取締役社長の高木茂知氏

 パシフィックコンサルタンツは、1951年に創業した建設コンサルタントを手がける老舗企業。代表取締役社長の高木茂知氏は、「第二次世界大戦後の荒廃した国土を復興反映するのためにはコンサルティングエンジニアが必要だとしてつくられた会社。東海道新幹線、高速道路、東京国際空港など、さまざまなプロジェクトに参画した実績を持つ」と説明した。

 両社は今後、目的の達成に向けて実証実験などを行い、そこで得られた知見をもとに、公共インフラを管理する自治体や関連企業、利用者に対してスマートインフラソリューションの提供を目指すとしている。

ソフトバンクが持つ最先端のテクノロジと、パシフィックコンサルタンツのインフラ設計のノウハウ、知見を合わせて公共インフラを開発する
ソフトバンクが持つ最先端のテクノロジと、パシフィックコンサルタンツのインフラ設計のノウハウ、知見を合わせて公共インフラを開発する

 ソフトバンク 代表取締役副社長 兼 COOの今井康之氏は、「ソフトバンクは最先端のテクノロジで、企業の皆様に働き方改革やスマートワークスタイルなどを提案してきた。最先端のテクノロジは個々の企業だけでなく、社会インフラそのものにも活用いただけるのではないかと思い、日本の業界ナンバーワンであるパシフィックコンサルタンツと共同で社会インフラを提供することで提携に至った」と説明した。

都市化の最適化マネジメントへ
都市化の最適化マネジメントへ

 今後取り組むのは、(1)5Gなどを利用した防災インフラソリューション(2)5G、人流解析などによる社会インフラソリューション──の2点。

 高木氏は、防災インフラについて「東日本大震災、九州北部豪雨など、大きな災害から国民の生命と財産を守っていかねばらならない。そのためには施設の整備だけでなく、避難を円滑にするシステムや技術が必要。我が社でも開発しているが、ソフトバンクの革新的な通信技術をもってすれば、もっと多くの人たちの生命や財産が守れるのではないか」と期待を寄せる。

防災インフラの課題を解決へ
防災インフラの課題を解決へ

 また、社会インフラについては「インバウンドの急増やイベントなどにより、都市部に人々が集中する現象がある。人とクルマが集中し、混乱が起きることも予想される。5GおよびIoT向け通信規格を利用した各種デバイスや、AIを活用した人流解析や交通流解析により、人の流れをリアルタイムでモニタリングして予測を交えてどうコントロールするか。今回の課題の一つ。この2社が実現しようとする成果を期待してほしい」と語った。

首都圏の動きをリアルタイムでセンシングし、混雑エリアの近未来予測を可能にする
首都圏の動きをリアルタイムでセンシングし、混雑エリアの近未来予測を可能にする

 なお、ソフトバンクは11月にも東京タワーやスカイツリーなど、数々のタワーやオフィスビルの設計で知られる日建設計とIoTやロボットなどを活用した次世代スマートビルディングの設計開発に向けた業務提携で合意したと発表している。

 これについて今井氏は「日建とはスマートビルディングで提携。今回は社会インフラの部分について提携。ある程度区分されていると認識している」と説明した。

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