医師専用コミュニティサイトを運営するメドピアは12月4日、エクサウィザーズと、AI(人工知能)ソリューションの開発で業務提携したと発表した。
エクサウィザーズは、超高齢社会に代表されるような社会課題を解決することを目的に、AIプラットフォームの開発やAI教育サービスなどを行っている企業だ。
介護における人材育成サポートとして、認知症ケアの技法「ユマニチュード」の普及やその技法を学習するための「AIコーチング」の開発をはじめ、11月には企業の採用から能力開発・評価・配置までをAIがサポートするHR Techサービス「HR君」している。
メドピアが運営する、医師専用コミュニティサイト「MedPeer」は、10万人の医師が参加する。医師による臨床経験やナレッジの投稿が「集合知」として形成されており、医薬品に関しては累計53万件を超える口コミが集積する。また、医師によるオンライン健康相談プラットフォーム「first call」には、チャット相談における一般消費者からの相談内容と医師の回答がテキストデータとして蓄積されており、モニタ利用を含め累計約4万件の相談事例がある。
今回の提携により、メドピアグループが保有する医師や一般消費者によるテキストデータをエクサウィザーズのAI技術で解析することにより、製薬企業をはじめとする企業や一般消費者に対して、さまざまなAIソソリューションを企画・開発する。
第一段階として、エクサウィザーズが展開するHR君とMedPeerおよびfirst callで連携し、(1)HR君×MedPeerによるMRの教育支援「HR君 for MR」、(2)HR君×first callによる従業員のメンタルヘルス・健康支援──の2つのサービスを提供する。
これにより、新たなMRの評価指標の設定や活躍人材の予測が可能となるほか、社内の優秀なMRの知見をAIが学習し、さらにMedPeerに投稿される医師からの医薬品に対する口コミデータを解析することで、「どんなコミュニケーション手法で」「どんな情報を」医師に提供すると効果的かをAIがコーチングする。
また、first callに寄せられる従業員からの健康相談を、健康診断やストレスチェック、勤怠などの労務データ等と組み合わせてHR君がAI解析することで、従業員のメンタルヘルスや健康状態を自動予測し、必要に応じて対策を促すことで重症化を未然に防ぐ。また今後、蓄積した相談・回答データをAIが学習することで、AIが医師に相談内容に応じた回答例を自動提示するなど、医師の回答スピードと質を高めることも可能だとしている。
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