AGC 旭硝子、ブラインドが不要になるスマート調光ガラス「Halio」販売へ

 AGC 旭硝子は12月8日、米Kinestral Technologies(キネストラル・テクノロジーズ)とともに合弁会社を設立し、スマート調光ガラス「Halio(ヘイリオ)」を販売すると発表した。調光機能を備えた窓ガラスとしてビルや住宅向けに提供する。

 Halioは、窓ガラスに可視光線を遮断する機能をもたせたスマート調光ガラスシステム。2枚のガラスの間に化学材料をはさみ、そこに電気を通すことで、ガラスの色が変わる仕組み。使用するには電源が必要で、クラウドと組み合わせることで、アプリなどからのコントロールが可能。一般的なガラスと同じ透明度を持つクリアステージから、可視光線を最大99.9%カットするダークステージまで、色調を変化できる。色調の変化には電力を使用するが、色調を固定してしまえば電源は不要になるという。


Halio。クリアステージ

Halio。ダークステージ

 色調の変更は3分程度かかり、均一に色変更できることが特徴。ガラスから入る光と熱の量をコントロールすることで、ビル内のエネルギー消費量を削減できるとしている。

 Kinestral Technologiesは米カリフォルニアに拠点を置く、スマート調光ガラスの製造販売を手がける企業。2010年に設立し、社員数は現在約150人。AGCは2017年1月にKinestral Technologiesに出資し、Halioの開発をともに進めてきたという。

 両社はHalio North America、Halio International、Halio Chinaの3社を2018年1月に設立。北米、中国、その他の地域でHalioの販売を担う。


Halio

Halio Black。可視光線を最大99.9%遮断できるという

 Kinestral Technologies CEOのS.B.チャー氏は「最終的なゴールは、ブラインドやシェードに取って代わるもの」とHalioを表現。さらに「クリアか真っ暗かのどちらかに色を変更するだけでなく、必要な量の光を調整し、好みの明るさで固定できることがHalioの特長」とポイントを話した。

 価格については明らかにしなかったが「メンテナンスなども必要になるため、通常のガラスの価格とは単純に比較できないが、現在と同じような価格にしたいと思っている」(AGC 旭硝子 ビルディング・産業ガラスカンパニー・プレジデント兼常務執行役員のジャン・フランソワ・エリス氏)とし、販売目標については「高い期待をもっている」とした。


左から、Kinestral Technologies CEOのS.B.チャー氏、AGC 旭硝子 ビルディング・産業ガラスカンパニー・プレジデント兼常務執行役員のジャン・フランソワ・エリス氏

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