JOLED、21.6型4K有機ELパネルを出荷--大型化も視野、印刷方式をデファクトに

 有機ELパネルの製造、開発、販売などを手がけるJOLEDは12月5日、世界初の印刷方式を採用した有機ELパネルを出荷開始した。

 出荷開始したのは、21.6型の4K有機ELパネル。薄さ1.3mmで、重量は500g。コントラスト比は100万対1。3840×2160ピクセルの解像度を持ち、精細度は204ppiになる。今回の出荷分は医療用モニタとして使われるという。


21.6型の4K有機ELパネルの出荷を開始した

パネル自体の薄さは1.3mm

 有機ELパネルは蒸着方式による製造が一般的だが、JOLEDでは2015年の設立以来印刷方式にフォーカスして開発を進めてきた。中・小型と大型で製造プロセスが異なる蒸着方式に比べ、印刷方式は、大型化へのプロセスや、省電力化といった性能上において技術的制約がなく、大型から小型まで全サイズ領域をカバーできるメリットを持つ。

 印刷方式はパナソニックが10数年に渡り技術を蓄積。これにソニーが持つ量産、生産技術を掛け合わせることで製品化を実現したという。


印刷OLEDパネルの特徴

JOLEDのコア技術

JOLED代表取締役 CTOの田窪米治氏

 JOLED代表取締役 CTOの田窪米治氏は「ソニー、パナソニックの技術と人材を承継できたことが、印刷方式の有機ELパネルを製造できた理由の1つ。新しく発足した会社の中で、両社のいいところを汲み取りながらシナジーが生まれ、パネル特性が非常に良くなったと自負している」と、印刷方式で出荷にまでこぎつけた理由を話した。

 製造は、ジャパンディスプレイが石川県に持つ工場のラインを使用。2016年9月にパイロットラインを稼働し、2017年4月にサンプル出荷を開始した。

 田窪氏は「大型へも展開しやすい印刷方式を、有機ELにおける生産技術のデファクトにしていきたい。有機ELパネルにおける一番の目標は、すべてのサイズを同じプロセスで作ること。それができない限りは液晶に取って代わる発展はしない」と今後について話した。

 JOLEDは、ソニーとパナソニックの有機EL開発部門を統合し、2015年1月に設立。有機ELパネルの量産開発加速と早期事業化を目指している。


JOLEDの事業戦略

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