ジャパンディスプレイ(JDI)は10月25日、情報表示端末としてニーズの高まる車載用ディスプレイ事業について説明会を開催した。電子ミラーやインフォメーションディスプレイを搭載した、近未来のコックピットのイメージも展示した。
JDIでは、現在カンパニー制を導入しており、車載用ディスプレイは「車載インダストリアルカンパニー」が手がける。このほかディスプレイソリューションズカンパニーとモバイルカンパニーがある。
車載インダストリアルカンパニーの社長である月崎義幸氏は「事業本部のほか、国内の鳥取、石川工場、中国、台湾にある製造拠点も含む、設計、生産、販売までをカンパニーの中で運営している」と内部体制を説明した。
車載用ディスプレイは、車内での多彩な情報表示の増加に伴い、伸長を続けている。カーナビなどのモニタだけでなく、ミラー用、助手席用、制御用など、さまざま部分がディスプレイに切り換わったり、追加されたりしていくと見られる。
月崎氏は「自動車の需要に比べ、ディスプレイの伸びが大きいのは、1台の自動車に対し、平均で5~6枚のディスプレイを搭載するようになるから。これが時代のトレンドになる」と話した。
さらなる追い風になるのが、自動運転だ。自動運転では、メーターなどを表示しているクラスター部分を含め、車載ディスプレイは大画面化、超横長化していくと予想される。クラウドとつながるインターフェースや安全サポートなど、ディスプレイに求められる条件はさまざま。高精細な4K~8Kディスプレイのほか、シームレス、曲面、フレキシブルなど、多彩な形状も必要になる。
ジャパンディスプレイでは、高精細、大画面に適応する低温ポリシリコン(LTPS)の量産出荷を5月から開始。会場では、横長ワイド、大型縦長、曲面など、異形状ディスプレイなどの製造、開発も進めているという。
月崎氏は「現在は液晶を使っているが有機ELの車載用も意識して開発に取り組んでいる。有機ELはバックライトが必要なく、曲面や大画面化がしやすい」と今後についても話した。ジャパンディスプレイでは、2016年度の車載売上金額約900億円に対し、2019年度は60%増を目指すとしている。
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