ドローンで荷物を配送することの実現性が検討されているものの、クアッドコプターにしろ固定翼の飛行機にしろ、操縦ミスや故障による墜落の確率はゼロにできない。まして、パイロットが搭乗しない無人航空機(UAV)となると、回避行動をともなう緊急着陸が実行できず、地上の人や建物に大きな被害を及ぼすことがあり得る。その対策として、例えばWalt Disneyの関連会社は、ドローン用エアバッグを検討している。
これに対し、Amazon.com傘下のAmazon Technologiesは、正常な飛行が困難になったドローンを自動的に分解させる技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間11月28日に「DIRECTED FRAGMENTATION FOR UNMANNED AIRBORNE VEHICLES」(特許番号「US 9,828,097 B1」)として登録された。出願日は2016年6月10日。
この特許は、無人で飛行するUAVにおいて、飛行継続できなくなった段階で自ら部品などを取り外し、少しずつ落としていく技術を説明したもの。UAVを一気に墜落させないようにすることで、地上に及ぼす影響を小さくし、大きな被害の発生をできるだけ回避しよう、という狙いがある。
取り外して落下させるものとしては、ドローン自体の部品だけでなく、配送用ドローンであれば運んでいる荷物が考えられる。特に、荷物を最初に落とすことは、飛行に必要な部品を保持しつつ重さを軽くできるので、より安全な場所まで飛べる可能性を高められる。そして、飛行プランなどを参考にして、落とす部品の順番とタイミングを決めればよい。
請求項(クレーム)には、気象条件や地上の状況に加え、飛行している高度や速度、UAVの傾きなどから落下タイミングを決める仕組みの言及もある。
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