私の同僚の1人が、「Amazon Echo」と「Google Home」を使って、私のクレジットカードで買い物ができてしまうことが判明した。また、2台とも同僚のChrisに私の情報を簡単に提供した。彼の声を私だと認識したからだ。
はっきりさせておくと、Chrisは金を盗んだり偵察したりしようとしたわけではない。Googleのデジタルアシスタント「Googleアシスタント」とAmazonのデジタルアシスタント「Alexa」の音声認識機能をいかに簡単にだませるかをテストした結果である。
専用アプリを使えば、ユーザーはGoogleアシスタントとAlexaに自分の声を認識するよう訓練できる。声を覚えさせると、いずれのサービスもユーザーの声に合わせてカスタマイズした応答をするようになる。Googleアシスタントに「今日の予定は?」と尋ねると、ユーザーのカレンダーアプリに入力してある予定を読み上げる。Alexaにブリーフィングを頼むと、あらかじめカスタマイズしておいたニュースが流れる。これは私がとても気に入っている便利な機能だ。Google HomeあるいはAmazon Echoのような音声で制御するスマートスピーカを持っていれば、複数の人間の声を認識させることができるので、家族のそれぞれが自分の情報を得られる。
Googleが4月に初めてGoogle Homeのマルチユーザー機能を発表した際も米CNETはテストを行い、似た声で簡単にかく乱できることが分かった。GoogleとAmazonの両社がこの機能を提供する今、両方のデジタルアシスタントを意図的にだませるかどうか見てみたかったのだ。その結果、だませることが分かった。
Chrisは、同僚の男性3人になりすますことに成功した。女性の同僚、MeganとMollyは、まねようとしなくてもお互いになりすませた。
私は何も、セキュリティを守り、買い物ミスを避けるためにAmazon EchoやGoogle Homeを捨てるべきだと勧めるわけではない。誰かがあなたの情報を入手するには、こうしたスマートスピーカに声が届く位置にいる必要があるので、心配する必要があるのは家の中にいる人々だけだ。そう考えれば、大家族だったり多くの同居人がいたりする場合には、幾つかの対策が必要になるだろう。
個人の情報については気にしないが、子どもたちが自分になりすましてオンラインショッピングをするのは困るというのであれば、いずれのアシスタントも音声でのショッピング機能だけ無効にし、それ以外の個人の情報へのアクセスは可能にしておくことができる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」