マサチューセッツ工科大学(MIT)は、2017年6月に一部の修士課程修了者111人に対し、仮想通貨(暗号通貨)の技術的基盤であるブロックチェーンで実現させたデジタル修了証書を授与した。
この仮想的な修了証書は、ビットコイン(Bitcoin:BTC)に代表される仮想通貨で使われているブロックチェーンがベースだ。ブロックチェーンは、暗号化された公開台帳を分散データベースで管理する技術。ブロックと呼ばれる各やり取りはすべて暗号化し、時刻情報を付与し、ほかのブロックと鎖(チェーン)状に連結して管理する。
ブロックチェーンに記録された情報の改変は不可能で、真正性が保証される。そのため、仮想通貨に使われるだけでなく、今回のような修了証書や卒業証書のほか、改ざん不可能な契約書を実現するスマートコントラクトなどへの応用が考えられる。
MITのデジタル修了証書は、スマートフォン用アプリ「Blockcerts Wallet」で学生に配布される。学生が自分の学歴を証明するには、雇用主や学校、家族、友人などに証書ファイルのリンクを知らせたり、ファイルそのものを送ったりすればよい。デジタル証書の真正性は、MITの確認用サイトにファイルのリンクやファイル自体を入力すれば確かめられる。
なお、MITによる今回の取り組みは試験的なもので、修了者に紙の証書も授与した。
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