Eatsaでは、ロボット技術がレストランの中心的な役割を果たしており、顧客にサービスを提供したり、テイクアウトに付随する体験を提供したりしている。Wow Baoも、近いうちにそうなる予定だ。ほかのレストランでは、ロボットの使用はまだ厨房内に限られている。
Cafe XとZumeはいずれもサンフランシスコに拠点を置くカフェとピザ店で、Cafe Xではラテを、Zumeではピザを、それぞれロボットが作っている。カリフォルニア州のスタートアップ企業Miso Roboticsは、「Flippy」というキッチンアシスタントロボットを開発しており、このロボットは2018年初頭より、レストランCaliBurgerでバーガーを焼く作業を担当する見通しだ。
Flippyは、単にバーガーを上手にひっくり返すだけではない。コンピュータビジョンを使って、パティの焼け具合を追跡し、完璧なミディアムレア(あるいはレストランが選んだほかの焼き加減)に仕上げる。さらに、バーガーが安全に調理されていることも確認する。このロボットはセンサやカメラ、ロボットアームなど、簡単に手に入る部品で作られている。そのほかの作業を担うのは、AIだ。AIを訓練して、厨房のほかの作業をやらせることも可能かもしれない。
Miso Roboticsの最高経営責任者(CEO)を務めるDavid Zito氏は、次のように語っている。「MisoのAIソフトウェアの美点は、Flippyが最も必要とされる作業を学習できることだ。それによって、ファストフードレストランの厨房だけでなく、あらゆる厨房内に適応できる柔軟性と順応性がFlippyにもたらされる」
これはレストランにとって素晴らしいことかもしれないが、レストランで働く人々にとっては、あまり朗報ではなさそうだ。世の調理師にとって残念なことに、レストランの仕事は離職率が非常に高い。米労働統計局によると、2016年の離職率は76%だったという。そのため、オーナーやマネージャーは、より安定した、代わりの労働力を求めている。
KFCやPizza Hut、Taco Bellを傘下に持つYum BrandsのCEOを務めるGreg Creed氏は、2020年代の中期から後期にかけて、人間と同じ役割を果たすロボットの数が増えると予想している、と2017年3月にCNBCに語っている。しかし、Creed氏は、レストランを完全に自動化するのは「非常に難しいだろう」と、厨房スタッフを安心させる言葉も同時に述べている。
「キオスク端末を使っての注文やモバイル注文に関して言えば、そのプロセスは変わると思うが、生産に関しては、もう少し時間がかかると思う」(同氏)
厨房でのロボット使用の先駆けであるMiso RoboticsのZito氏も、ロボット革命が進行する中でも、人間が重要な役割を果たし続けると思う、と述べている。
「われわれが思い描くのは、高度な技術を持つロボットと人間が共存する未来だ。その未来では、一貫した手順で調理された食事を顧客が毎回楽しむことができるように、キッチンアシスタントロボットと人間が協力して働く。レストランスタッフのニーズや要望が反映されたAIとロボット工学の組み合わせを通して、われわれは業界を再び活性化することを構想している」(Zito氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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