インテル、同社初の商用5Gモデムチップ「XMM 8060」など発表

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 湯本牧子 吉武稔夫 (ガリレオ)2017年11月17日 14時46分

 Intelが米国時間11月16日に発表した一連の製品は、現行のネットワーク技術を高速化したバージョンである「ギガビットLTE」によって、モバイル分野での飛躍を後押しするだけでなく、「iPhone」の2018年モデルの改良にも役立つかもしれない。

 Intelの取り組みにより競争が激化することで、スマートフォンのコストが下がり、技術の進歩が速まる可能性がある。

 Intelが準備している通信チップは次の通りだ。

  • 新しい同社初の商用5Gモデムチップ(「Gold Ridge」という開発コード名だったが、新たに「XMM 8060」という製品コードが付いた)によって、この製品を搭載した5G対応スマートフォンが2019年半ばに登場する予定とされている。LTEを使用する現在の第4世代ネットワークは、1Gbps近い速度に達しているが、5Gはそれより10倍高速となり、2019年に登場し始める頃には他にも大きな改良を可能にするはずだ。
  • 「XMM 7660」が2019年のスマートフォンに搭載されると、LTEネットワーク速度は現行の約2倍の1.6Gbpsになるだろう。
  • 2018年にAppleとIntelが活用できそうなのはXMM 7560だ。ギガビットLTEはすでに米国で利用が始まっている。T-Mobile USは430、Verizon Wirelessは560の市場でギガビットLTEを提供している。
Intel 8060 5Gモデムチップ
提供:Intel

 Intelでコネクテッド製品担当ゼネラルマネージャーを務めるChenwei Yan氏によると、同社はXMM 8060のプロトタイプで初の5G通信に成功したという。XMM 8060は、これまで使われていた周波数6GHz未満の電波だけでなく、5Gの特徴である28GHz帯の新たな「ミリ波」もサポートする。

 Yan氏は、これが28GHz帯でなされた「本物の5G通信だ」として、「5Gが実現したことを証明するものだ」と述べている。

 Intelは、今後のスマートフォンに搭載される予定のXMM 7560チップをすでに発表済みだが、このほどプロトタイプでギガビットLTE通信に成功したと述べた。XMM 7560はCDMAのサポートも追加する。

 なお、QualcommはすでにギガビットLTEをサポートしており、複数の「Android」スマートフォンで採用されている。

 Yan氏によると、Intelは5G対応のXMM 8000シリーズを、スマートフォンに加えて他のデバイス向けにも販売する計画だという。そうしたデバイスには、PCやホームネットワーク向けブロードバンド通信機器が挙げられるほか、いずれは自動車も対象となる。さらにIntelは5G対応スマートフォンだけでなく、あらゆるネットワーク機器や通信事業者が運用しているデータセンターにもチップを供給したいと考えている。

Intel 7560 4Gモデムチップ
提供:Intel

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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