ベイスターズ主催試合稼働率が96%、オセロニアは月商10億円超え--DeNA2Q決算

 ディー・エヌ・エー(DeNA)は11月9日、2018年3月期第2四半期の連結業績を発表した。累計の売上収益は733億1400万円(前年同期比4.2%減)、営業利益は136億5800万円(同10.3%減)、四半期利益は108億6400万円(同6.7%減)となった。

 四半期ベースで見ると、売上収益は369億円(前四半期比1%増)、営業利益(IFRS)は73億円(同14%増)。季節変動の大きいスポーツ事業を除くと、売上収益は307億円(同2%増)、Non-GAAP営業利益は21億円(同2%減)となっている。

ディー・エヌ・エー代表取締役社長兼CEOの守安功氏
ディー・エヌ・エー代表取締役社長兼CEOの守安功氏

 主力のゲーム事業は売上収益は244億円(前四半期比1%増)で、営業利益は61億円(同17%減)。これは販促費や広告宣伝費に多く投下したことや、運営強化のため外注費が増加したことによるものとしている。

 内製タイトルの主力といえる存在に成長した「逆転オセロニア」は、ダウンロード数が1500万を超え、直近では月商10億円を突破。決算説明会で登壇したディー・エヌ・エー代表取締役社長兼CEOの守安功氏によれば、スマートフォン向けの内製オリジナル(ノンIP)アプリゲームで、月商10億円を超えたのは初めてという。

 本作は2016年2月に配信を開始し、内容には手応えを感じつつも継続率に課題があったことから、半年以上をかけて改善。その上でテレビCMなどの大型マーケティング施策によって、想定以上のアクティブユーザー獲得や売り上げの増加など成果が現れたという。以降も右肩上がりの状態になっており、守安氏は「スマートフォンゲームの厳しい市場環境のなかで、半年以上苦戦した状況からここまで成長したのは珍しい」とコメント。今後もさまざまな施策で拡大を図るとしている。

ゲーム事業(「逆転オセロニア」の推移)
ゲーム事業(「逆転オセロニア」の推移)

 任天堂との協業施策では注目の新作である「どうぶつの森 ポケットキャンプ」について、オーストラリアのみ10月25日から配信を開始しており、11月下旬からは日本、米国、欧州を含めた計41カ国で配信する。守安氏は、「普段ゲームを遊ばないユーザーでも、わずかな時間で少しずつゲームを進めて楽しめるタイトルになっている」と語った。また、幅広いユーザー層へリーチできるタイトルであることや、自身で遊んだ感触、すでにプレイしたレビュー記事などで評価されていることに触れ、11月下旬からの配信に期待を寄せていた。

 このほか、配信中の「スーパーマリオ ラン」は累計ダウンロード数が2億を突破し、全体の9割超が日本国外によるものと説明。また「ファイアーエムブレム ヒーローズ」については収益面を含めて順調に推移しているなか、海外の売上が徐々に拡大し、地域別の構成比は、9月時点で海外が54%に達しているという。そして、2017年末までに、香港や台湾、マカオ、タイ、シンガポールの5つの国と地域で新たにサービスを行うとしている。

ゲーム事業(「どうぶつの森 ポケットキャンプ」)
ゲーム事業(「どうぶつの森 ポケットキャンプ」)

 スポーツ事業では、横浜DeNAベイスターズがチームとして19年ぶりに日本シリーズへ進出し、熱戦を繰り広げたことは記憶に新しい。守安氏はDeNAとしてプロ野球に参入し初めて日本シリーズへ進出したことや、2年連続でクライマックスシリーズに進出したことも触れ「確実にチーム力はアップしている」と語る。一方、球団経営の観点からは「試合の勝ち負けはファンにとって重要だが、勝っても負けてもスタジアムに来て楽しんでもらうことを当初から意識してきた」と振り返る。

 さまざまな施策も奏功してか、主催試合の平均観客動員数は右肩上がりで増加し、2017年は2万7880人で過去最高を記録。稼働率も96.2%で、毎試合がほぼ満席の状態になっている。かねてから2020年シーズンに向けた増築・改修による約6000席の増席計画を公表しており、予定通りに進めば増席のタイミングでさらなる売上増が見込めるという。また、横浜スタジアム運営会社の買収で球団と球場の一体経営が可能となり、野球関連の収入についても多様化・拡大が進行。入場料収入の依存度合いが少なくなったことから、より安定した経営体制になったとしている。

スポーツ事業(横浜DeNAベイスターズ関連)
スポーツ事業(横浜DeNAベイスターズ関連)

 2018年3月期第3四半期の連結業績予想は、売上収益が333億円(前四半期から36億円減)で、Non-GAAP営業利益は33億円(同39億円減)と減収減益になるが、これはスポーツ事業がシーズンオフに入るため。そのスポーツ事業をのぞく売上収益は320億円(同13億円増)で、Non-GAAP営業利益は50億円(同1億円減)を見込む。増収ながらもほぼ横ばいの利益を見込むのは、さらなるマーケティング施策へのコスト増を想定しているためとしている。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]