配線不要で光る電飾パーツ「X-BASE」--社名伏せ出資募り支援金約800万円

 プラモデルなどに取り付けられる電飾パーツに、“革命的”とも言える新パーツ「X-BASE(クロスベース)」が12月2日に登場する。LEDパーツをプラモデルなどに接着するだけで光らせることができ、配線、電流、抵抗などの心配は不要。水中でも発光する。

 企画、開発を手掛けたのは玩具メーカーで知られるハピネット。ワンモアが運営する「GREEN FUNDING」で、9月29日から10月31日にクラウドファンディングを実施し、目標額100万円を数日で達成した。最終支援金額は約800万円にのぼる。


「X-BASE(クロスベース)」が取り付けられた船のプラモデル

無極性LEDのため水中でもショートせず、防水仕様になっている

 ハピネットでは、社名を一切出さずにクラウドファンディングを実施。11月1日に改めてハピネットとして発表した。少し変わった販売手法をとったのは「X-BASEが持つ、先進的なイメージを先入観なく見てほしかったから」(ハピネットトイ・オリジナルユニットゼネラルマネージャーの野宮智士氏)という。

 X-BASEは、高さ320mm×幅300mm×奥行300mmの「ワイヤレスパワーステーション」と直径4.5mmの「ワイヤレスLED」から構成されるワイヤレスLEDシステム。パワーステーションの上にワイヤレスLEDを置くことで発光する仕組みだ。

 ワイヤレスLED側にコードや端子を必要とせず、電力を供給できるワイヤレス電力システムを採用していることが特徴で、非接触で電力を供給することが可能。この技術は、スマートフォンや電動歯ブラシなどの充電にも使用されている。

 ワイヤレス電力供給にはいくつか方式があるが、X-BASEでは「磁界共鳴方式」を採用。送信側と受信側の距離が離れていても給電ができるほか、位置制限がなく、複数のパーツに一度に給電できる長所を持つ。


「X-BASE」。「ワイヤレスパワーステーション」と「ワイヤレスLED」から構成される

 ワイヤレスパワーステーションは1万9800円、10個のLEDパーツが入ったワイヤレスLEDは3500円の価格を実現。GREEN FUNDINGでは、セット価格2万5164円のところ25%オフの1万8873円を990個限定で販売した。

 メーカー名を伏せ、先入観を持たれず、テストマーケティング的に商品を販売する。この条件を満たすのにクラウドファンディングはうってつけだったという。「ハピネットという玩具メーカーの商品としてはでなく、先進的な技術力を見てもらうためにあえて企業名を伏せた。ターゲットユーザーはアンテナ感度の高い人たち。そこからじわじわと浸透させたいと考えた」(野宮氏)と戦略は明確だ。

 ハピネットは子供向け玩具を主に扱っているが、X-BASEは50代くらいまでのプラモデルファンがターゲット。ターゲット層がGREEN FUNDINGのユーザー層と合致している。

 今回のX-BASEで、ハピネットは初めてクラウドファンディングを実施。「新しい商品なので、今までにない手法をとりたい。いつもと違う切り口でデビューさせたい」と社内で説明したという。

 GREEN FUNDINGの星野雅人氏は「企業名を伏せた形でのプロジェクトは今までにもいくつか経験がある。ただしユーザーに不安を与えないためにも性能確認は必須。X-BASEは、ハピネットという玩具メーカーとしての信頼性に加え、かなり完成度の高い状態のものを見せてもらえたことも信頼につながった」と、今回の経緯を話す。

 「今まで電飾パーツは使いたいけれど、難しそうと感じていた人に最適の商品。一部のハイエンド層だけではなく、だれもが電飾パーツを使える時代になる」と野宮氏は、X-BASEへの思いを話す。

 ハピネットでは、X-BASEをプラモデル用とだけでなく、子どもや女性あらゆる層の人に広げ、新しい使い方を発見してほしいとしている。

 

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