マイクロソフト、MR開発支援スタジオをサンフランシスコに新設

Liam Tung (CNET News) 翻訳校正: 湯本牧子 吉武稔夫 (ガリレオ)2017年10月30日 11時13分

 Microsoftは、2次元のスクリーンから完全に没入型の仮想現実(VR)まで、複合現実(MR)体験に利用可能なホログラムを顧客が開発できるようにする新たなスタジオを開設した。

 これで、ホログラフィックコンテンツの導入を支援するMicrosoftのMR動画作成スタジオは3カ所になった。これらのコンテンツは、Microsoftの拡張現実(AR)ヘッドセット「HoloLens」や、「Windows 10」のパートナー企業が提供しているVRヘッドセットで利用できる。

 Microsoftが新スタジオを開設したのは、サンフランシスコに設置しているコミュニティースペース「Microsoft Reactor」内だ。ここに、旗艦施設のMixed Reality Capture StudioとMixed Reality Academyができた。Microsoftはすでに、ワシントン州レドモンドの本社内とロンドンにキャプチャスタジオを有している(ロンドンのスタジオはDimension Studiosが運営している)。

 これらのスタジオの狙いは、パートナー、クリエイティブエージェンシー、スタジオ、アプリケーション開発者などが、最高に没入感のあるMRコンテンツを開発できるよう支援することだ。

 こうしたスタジオの開設と時を同じくして、Microsoftは「Windows 10 Fall Creators Update」の一般提供を進めている。Fall Creators Updateは、Dell、HP、Acer、Lenovo、サムスンのVRヘッドセットを通じて体験できるMRコンテンツをサポートする。Microsoftは、VRおよびAR戦略を支えるためAltspaceVRの買収も発表している。

 Microsoftは次のように述べている。「当社の目標は、あらゆる地域のMR開発者が高品質のホログラフィックキャプチャを利用できるようにすることだ」

 Microsoftは、Dimension Studiosとの提携関係と同様のライセンス契約に基づき、世界各地でさらに多くのキャプチャスタジオを開設する計画だ。この動きは、Microsoftが7年ほど前にレドモンドで開設したMixed Reality Capture Studioのような施設を世界各地に広げるものだ。レドモンドのスタジオでは、宇宙飛行士のBuzz Aldrin氏やビートボックスアーティストのReggie Watts氏などによる「数千ものパフォーマンス」をキャプチャしてきた。

 これらのスタジオでは、強力なデータストレージ機器が必要になる。MicrosoftがFAQで述べているように、同社のスタジオでは106台のカメラを使用してパフォーマンスをキャプチャしている。その後、Microsoftのコンピュータビジョンアルゴリズムによって、カメラがキャプチャしたあらゆるものの3次元表面を作成する。カメラシステムは1秒間に10GバイトものRAW映像を出力できる。さらに、送信や視聴がしやすいようにホログラフィック動画を圧縮する。Microsoftによると、HD動画とほぼ同じ通信容量に圧縮できるという。

 レドモンドの施設でキャプチャできる映像は約4分間に限られており、キャプチャ後はデータを保存するためのダウンタイムが生じるのに対し、サンフランシスコの新スタジオでは、約1時間の連続した映像のキャプチャが可能だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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