さまざまな製品の分解レポートで知られるiFixitは、Googleの最新スマートフォン「Pixel 2 XL」を分解し、レポートを公開した。
多くの部品がモジュール化されていて、画面を外せば交換可能なうえ、9個しかないネジのすべてが標準的なドライバーで外せる点は優れているものの、バッテリが極めて取り外しにくく、硬く詰め込まれた画面ケーブル用カバーのせいで修理に手間がかかるといった減点要素から、修理のしやすさを0から10の数値(10がもっとも修理しやすい)で表す「Repairability Score」(修理容易性スコア)を、6とした。
Pixel 2 XLは、IP67相当の防水性と防じん性を備えるため、分解の手がかりになりそうな部分はすべてシールが施され、SIMカード用トレイにもパッキンが設けられていた。ただし、画面ユニットと本体は接着テープで固定されており、温めて接着剤を柔らかくすることなく、すき間をこじ開けるだけで内部にアクセスできた。
画面ユニットと本体は、2つのケーブルでつながっており、接続部分を外せば分けられる。内部フレームには、これまでのモデルと違ってヒートパイプが取り付けられていた。このことから、従来より発熱量が多いと推測される。
バッテリは、接着剤で固定されていて非常に取り外しにくい。スペックは3.85V、3520mAh、13.6Wh。前モデル「Pixel XL」のバッテリは、引っ張るとはがれるテープ型の接着剤で取り付けられていて交換が容易だった。ちなみに、Pixel XLの修理容易性スコアは7で、Pixel XL 2より1ポイント優れていた。
ロジックボードに実装されていた主なチップは、Qualcomm製のプロセッサ「Snapdragon 835」とギガビットLTE無線トランシーバ「WTR5975」、Samsung Electronics製の4ギガバイトLPDDR4 RAMと64ギガバイトのフラッシュメモリ、NXP製NFCコントローラ、村田製作所の無線LAN(Wi-Fi)/Bluetoothチップ。また、組み込み機器用SIM(eSIM)の役割を担う、ARM製「SecurCore SC300」コアを内蔵するST Microelectronics製チップ「ST33G1M2 32 bit MCU」も搭載。これは、スマートウォッチ「Apple Watch Series 3」にも採用されていた。
さらに、Google独自設計の画像処理プロセッサ「Pixel Visual Core」もロジックボード上にある。同チップが使えるのはOSがAndroid 8.1になってからで、現在のAndroid 8.0ではまだ機能しない。
Pixel 2 XLを握って操作する機能「Active Edge」は、側面に設けられたセンサで握られた力を検知して実現しているようだ。
なお、米CNETの報道によると、Pixel 2 XLの一部で画面の焼き付きのようなトラブルが発生しているという。GoogleはCNETに対し、こうした現象の報告があることを認識しており、現在調査中、と回答した。
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