50言語対応の通訳デバイス「POCKETALK」--世界で使えるソラコムのSIM搭載モデルも

 ソースネクストは10月23日、通訳デバイス「POCKETALK(ポケトーク)」を12月14日に発売すると発表した。

 世界50言語以上に対応し、ボタンを押して話しかけると指定した言語に訳して音声で返す。双方向でやりとりできるのも特長の一つだ。ただし、一部言語はテキスト表示のみになる。

 日・英ならばGoogle翻訳、日・中ならば百度(バイドゥ)といったように、クラウド上の最適な翻訳エンジンを選択することで、高い翻訳精度を実現できるとしている。

ボタンを押して話しかけると指定した言語に訳して音声で返す
ボタンを押して話しかけると指定した言語に訳して音声で返す
対応言語は50カ国語以上。端末自体は実は105言語に対応しているが、双方向でやりとりできるものを対応言語として数えたと説明した
対応言語は50カ国語以上。端末自体は実は105言語に対応しているが、双方向でやりとりできるものを対応言語として数えたと説明した

 「信じてもらえないかもしれないが、かなり長い文章でも対応している」(ソースネクスト代表取締役社長の松田憲幸氏)とし、4センテンスの長めの文章も翻訳できるデモを披露した。

長めのセンテンスも対応
長めのセンテンスも対応

 現在ではスマートフォンを利用する方法もあるが、専用機にすることで(1)アプリなどを起動せずすぐに使える、(2)ダイナミックスピーカを搭載し、聞きとりやすい、(3)スマートフォンを渡さなくてもいいので、盗難の心配やLINEを見られるといった心配がない──といったメリットを挙げた。

クラウド上で最適なエンジンを選択することで精度を上げたという
クラウド上で最適なエンジンを選択することで精度を上げたという

 ゲストとして、イメージキャラクターの剛力彩芽さんとレスリング選手の吉田沙保里さんが登場した。仕事や遠征でいくため、海外滞在時は通訳がつくが、ホテルでなにか欲しいものがあったときなど、一人になると困ることがあるという。そうした通訳のつかないシーンで活用したり、外国の人と積極的に話したりしてみたいと語った。

 一方で、実際にデモを披露したが、ネットがつながらずやり直す場面も見られた。発表会ではログバーのウェアラブル音声翻訳デバイス「ili(イリー)」と思われる製品とPOCKETALKの比較をしていたが、iliのネットを必要としない点や翻訳までの速度が速いといった点と比べると、POCKETALKの課題がやや浮き彫りになったようにも感じられる一幕だった。

 なお、POCKETALKは現在まだ開発中のものであること、また会場が地下にありネットにつながりにくい環境であったことなども影響していると思われる。

レスリング選手の吉田沙保里さんとイメージキャラクターの剛力彩芽さんも駆けつけた
レスリング選手の吉田沙保里さんとイメージキャラクターの剛力彩芽さんも駆けつけた

 端末は開発パートナーであるTravis(オランダ)との共同開発で、日本での販売はソースネクストの独占販売だ。

競合製品との比較
競合製品との比較

 ラインアップは、世界61カ国で使える専用グローバルSIMをセットしたモデル(税別:2万9800円)と、Wi-Fiで利用できる本体のみのモデル(同:2万4800円)の2種類。それぞれホワイト/ブラックの2色を用意する。このほか、法人向けレンタルを月額3000円で提供する。

ラインアップと価格
ラインアップと価格

 専用グローバルSIMはソラコムの協力により、世界61カ国で2年間自由に通信できる。利用期間終了後は延長ができるほか、専用グローバルSIM(税別:1万円)のみの購入も可能だ。

 ソラコム 代表取締役社長の玉川憲氏は、「少し前の夢がテクノロジで実現されていると感じる。10年前に米国に留学し、日本で一生懸命勉強していったがまったく歯が立たなかった。もしPOCKETALKがあったらどんなにラクだったか」と経験をもとに語り、翻訳を元に言い方を改善することで英語学習にも役立つとコメントした。

ソースネクスト代表取締役社長の松田憲幸氏とソラコム 代表取締役社長の玉川憲氏
ソースネクスト代表取締役社長の松田憲幸氏とソラコム 代表取締役社長の玉川憲氏

 全国家電量販店などで販売するほか、事業者向けにはレンタルサービスを提供し、2020年までに50万台の販売を目指す。

 ソースネクストは2017年6月、外国語学習ソフトで知られるロゼッタストーンジャパンを子会社化した。現在は、PCにインストールするソフトウェアとウェブサービスのみだが、年内にアプリでも提供予定という。さらにはTOEIC版も年内に発売することを明らかにした。

 外国語を習得する英語学習者の増加と、外国語の学習をしなくていいという、2つの未来をサポートしていくとしている。

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