Facebookは、2016年の米大統領選期間中にロシアが関与する広告を掲載したことをめぐり、質問の集中砲火を浴びている。
Facebookの最高執行責任者(COO)を務めるSheryl Sandberg氏は米国時間10月12日、ニュースサイトAxiosとの公開インタビューでその一部に答えようとした。
Sandberg氏は、「選挙期間中に当社のプラットフォームで起きたことは、あってはならないことだった」と述べた。「それを防ぐために、当社はできる限りのことをする責任があると認識している」
つまり米議会に全面的に協力し、それらの広告と、Facebookの特定のオーディエンスをターゲットに提供された経緯などの情報を、最終的に公開できるようにしていくということだ。
ロシア関連の広告をめぐる論争が9月に激化して以来、Sandberg氏やFacebookの上級幹部が公開インタビューを受けるのは今回が初となる。
Sandberg氏はAxiosとのインタビューの中で、このような干渉が今後再び起きるリスクを最小限に抑えるためにFacebookが講じている対策についてあらためて言及した。機械学習に対する投資の強化や広告関連の監視体制を強化するためのスタッフ増員、透明性の向上のほか、第三者ファクトチェック機関と連携し、偽情報を含むと判定されている記事をユーザーが共有しようとした場合に警告を表示することなどである。
「当社の価値を損なおうとする悪人が、これまで常にいた」と同氏は述べた。「われわれに危害を加えることを、これまでよりも格段に困難にすることができる」(Sandberg氏)
Sandberg氏は今週、広告の問題に対するFacebookの取り組みの一環として、米議会の議員との会合のためにワシントンDCを訪れており、その中でAxiosのインタビューに応じた。Facebookは、11月1日に開かれる、米大統領選への干渉を目的とした他国のソーシャルメディア利用に関する公聴会での証言に向けて準備を進めている。TwitterとGoogleも公聴会で証言すると見られている。
また、Facebookはメディア企業であり、そのように規制されるべきかという問いに対し、Facebookは本質的に技術企業だが、プラットフォームで起きることについていくらかの責任を負うとSandberg氏は述べた。
Sandberg氏は、他のプラットフォームとの取り組みをうまく調整する必要があるとも述べ、こうした問題が浮上しているサイトはFacebookだけではないと指摘した。
同氏は、プラットフォームにおける表現の自由を維持するのがいかに困難かを示した。例えば、特定のオーディエンスに向けた広告のターゲティングは、きわめて特殊な製品を扱う企業にとって役に立つ可能性もあるが、差別的な目的で利用されると間違った方向に向かってしまう。同氏は、中絶反対運動に関連して「赤ん坊の身体の一部の売買」に言及したMarsha Blackburn議員(共和党、テネシー州選出)のキャンペーン広告について、Twitterは当初、米国時間10月9日に削除したが、Facebookなら削除しなかっただろうと述べた。
「1人のために言論を排すれば、すべての人の言論を排することになる」とSandberg氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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