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赤信号で停止、障害物を回避--パナソニックが「自動運転EVコミューター」を公開

加納恵 (編集部)2017年10月11日 10時54分
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 パナソニックオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は10月10日、サイバー攻撃に対抗するオートモーティブ侵入検知、防御システムの開発発表とともに、オートモーティブ事業の開発体制と取り組みについて説明会を開催した。あわせて、車両試験場を設置し、取り組んでいるという自動運転技術についてデモを披露した。

パナソニック「自動運転EVコミューター」信号停止、発進


「自動運転EVコミューター」

パナソニックオートモーティブ&インダストリアルシステム社オートモーティブ開発本部の水山正重氏

 パナソニックでは、オートモーティブを「業界を上回る成長を実現できる事業」と位置づける。2016年度の売り上げ1兆3000億円を、2018年度には2兆円まで引き上げる方針で、パナソニックオートモーティブ&インダストリアルシステム社オートモーティブ開発本部の水山正重氏は「2018年度の目標2兆円をやりきり、2021年度には2兆5000億円を目指せば、自動車部品メーカーのトップ10入りが見えてくる」と将来を見据える。

 強みは快適、安全、環境と3つの領域に分ける車載事業のそれぞれで、デジタルAVや画像処理、電池、電源など、パナソニックが持つ技術をいかした展開ができること。オートモーティブ開発本部では5年先の技術を見据え、パナソニック全社から、AV、通信の技術者を集結させ、その中でセキュリティやAI技術を構築する体制を敷く。

 自動車業界の変化については「コネクテッド、ADAS(先進運転支援システム)・自動運転、電動化が大きなトレンドになっている。これに対応していくために先行開発の体制を整えた。お客様の顔が見える距離で、先行技術を提案し、フィードバックを受けて技術開発に反映する」(水田氏)と技術開発の姿勢を話す。

 重点取り組み分野として挙げるのは「IVI(In-Vehicle Infotainment)・コックピット」「ADAS」「コクピット×ADAS」「電動化」。その中の1つとして次世代コックピットを例に上げ「電子ミラー、HUD、サイドカメラ、液晶メータ、ドライバカメラ、IVIなど、さまざまなディスプレイが車室内をカバーしていく。いろいろなものがディスプレイに置き換わっていく」(水田氏)と説明。コックピットシステムの開発には、テレビのほか、携帯電話などのモバイル機器、デジタルカメラなどのイメージング機器などデジタルAVで培った先進技術を役立てていることを明かした。

 新たなサイバーセキュリティ技術として同日に発表した、サイバー攻撃に対抗するオートモーティブ侵入検知・防御システムは、インターネットに接続されるため、現在のITシステム同様、サイバー攻撃にさらされる可能性のあるコネクテッドカーを守る新技術。サイバー攻撃による車載システムへの攻撃やウイルスなどの侵入を検知し、防御システムがこれらを駆除、無効化することで、コネクテッドカーの安全走行を確保する。

 攻撃の初期段階であるインターネットからの侵入に加え、第2段階である車載ネットワークへの侵入を検知できることが特徴で、CAN(Controller Area Network)とEthernetにも対応。車両全体の侵入を網羅的に検知できる。

 水田氏は「セキュリティに関しては、DVDの著作権保護から20年以上の商用実績がある」とここでも、パナソニックグループの強み生かした展開ができるとした。

 ADASについては、検知、認知・判断、警告・制御を組み合わせることで運転支援を実現。検知の段階で、ミリ波レーダ、レーザーレーダのほか、カメラ、ソナーを活用する。デモでは、後方緊急自動ブレーキシステム、自動駐車システム、自動運転EVコミューターの3つを実現。自動ブレーキシステムでは、後方に置かれた直径60mmのポールを検知し、自動車が停止するデモを実施。現行車両が6km/hだったのに比べ、次世代車両では15km/hと、ソナーの検知距離を向上することで、より速いスピードでもブレーキできることを証明した。

 自動駐車システムでは、斜め自動駐車、並列自動駐車、縦列自動駐車、縦列自動出庫の4例を実演。車両には、短距離ソナー8個、長距離ソナー4個、カメラ4個を搭載し、ステアリングとブレーキを自動制御し、自動駐車を実現した。

 自動運転EVコミュータは、車両システムレベルの技術検証、評価を目的に、自動運転車両として試作。上部に前方の物体を認識する「LiDAR(回転型レーザーレーダー)」「ステレオカメラセンシング」を備えたほか、自己位置を確認する「1周波RTK-GNSS受信機(2ch)」「全周囲カメラ」などを搭載。前方に停まる車の回避や、飛び出してくる歩行者を検出して車を停止、運転の再開、信号の赤停止から青発信などを実演した。

 水田氏は「車両試験場は2016年に整備した。技術をすぐに試せる場所を作ることで、開発が回る環境を整えている」とその意義を説明した。

パナソニック「自動運転EVコミューター」飛び出し歩行者検出、停止、再開

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