LINEは10月5日、同社の独自AI「Clova」を搭載したスマートスピーカ「Clova WAVE」の正式版を発売した。当初は税別1万5000円で販売予定だったが、税込1万4000円に値下げした。Clova公式サイトのほか、Amazon.co.jpや楽天市場で販売し、10月末以降には家電量販店でも販売する予定。なお、8月23日から一部のユーザーに対して先行体験版を提供していた。
Clova WAVEは、「Clova」と話しかけることで、音声会話によるコミュニケーションがとれるスマートスピーカ。「LINEニュース」と連携した最新ニュースを教えてくれるほか、「LINE MUSIC」が提供する4000万曲以上の楽曲を再生でき、その時の雰囲気やユーザーの好みに合った楽曲をレコメンドしてくれる。また、天気予報やアラーム設定などの機能も利用できる。
正式版では、先行版ユーザーのフィードバックも反映する形で、さまざまな機能をアップデート。メッセージアプリ「LINE」と連携し、新着トークの通知や内容の読み上げ、トークの返信もすべて音声でコントロールできるようにした。新たにClova WAVE専用のLINEアカウントである「LINE 家族アカウント」を作成することで、家族間でメッセージの読み上げや送信が可能になる。
また、Clova WAVE自体とのコミュニケーションを促進する会話機能も改善し、一問一答だった会話を連続でできるようにした。これまでは、何か話すたびに「Clova」と呼びかける必要があったが、今後は「こんにちは」(ユーザー)、「はい、こんにちは」(Clova)、「調子はどう」(ユーザー)、「とてもいい調子です」(Clova)と、スムーズに会話ができるようになる。
さらに、Clova WAVEで再生中のLINE MUSICのプレイリストをスマートフォンのClovaアプリで確認できるようにしたほか、スマートフォン端末内にある音楽もBluetooth接続したClova WAVEで再生できるようにした。
今後は、メモやカレンダー、スケジュールなどの機能を追加するほか、その日のスケジュールや天気、最新ニュースなどをまとめて教えてくれる「ブリーフィング」機能を実装する予定。また、声紋による複数人の話者の識別や、音声の翻訳(日本語、英語、中国語、韓国語)、エアコンや照明などの家電操作といった機能を追加する。
LINE内外のサービスとの連携も進める。ECサービス「LINEショッピング」やフードデリバリー「LINE デリマ」などをClova WAVEでも使えるようにするほか、インターネットラジオ「radiko.jp」と連携したラジオ再生や、ヴァル研究所提供による経路検索、レスキューナウ提供による鉄道運行情報などの機能を提供する予定だ。
本体価格は1万4000円だが、同社では発売を記念して、Clova WAVE本体とLINE MUSIC(月額960円)の12カ月分をセットにした「Clova WAVE + LINE MUSIC セット」を、1万2800円で2018年1月31日まで販売する予定。
舛田氏は、先行版の発売からこれまでの約1カ月の間にも、音声リモコン(テレビ)や占い、人物検索など、さまざまな機能アップデートやチューニングをしてきたと説明。「スマートスピーカの本質は、いままでの家電と違って、買ってから品質や機能がどんどん成長すること。(購入者の)利用動向やビッグデータで成長していき、買ってから1年後には価値が全く異なる」と話す。
また、同日にはグーグルがスマートスピーカ「Google Home」を10月6日に発売することを発表している。さらに2017年内には、アマゾンのスマートスピーカ「Amazon Echo」も日本に上陸する予定だが、勝ち目はあるのか。
この疑問に対し舛田氏は、「私どもはLINEを作ってからずっとチャレンジャーだと思っているので、できることを全力でやる。日本の住環境やユーザー状況などは我々が最適に捉えられる。LINEの(国内)7000万ユーザーにClovaを毎日使ってもらえるよう、さまざまなスキルを考えていく」と思いを語った。
なお、現在はClova WAVEに加えて、持ち運びを想定した「CHAMP」と、ディスプレイの付いた「FACE」の3種類のスマートスピーカを発表しているが、新たにより小型のCHAMPや、ディスプレイの大きな「DESK」といったスマートスピーカを発売することも明らかにされた。いづれも発売時期は未定となっている。
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