また、「Alexa」の「ルーチン」機能は、たった1つの音声コマンドで一連のアクションを自動化し、これらの要素をすべて統合することができる。例えば「Alexa, good night(Alexa、おやすみ)」と言うだけで、消灯し、ドアに鍵をかけて、テレビを消すといったこともできるのだ。
ほかのアプリやデバイスを結び付けられるプラットフォーム、などと言うと、まるで住宅用のOSのように聞こえないだろうか。
住宅だけではない。Amazonは2018年の中頃からBMWとMINIの自動車にもAlexaを搭載する、と発表している。運転中に、Alexaを使って道順を確認し、音楽を再生したり、スマートホームデバイスを制御したりでき、別のアプリを使わずに済むというのだ。また、Starbucksなどのサードパーティーが開発したAlexaのスキルを車中で使うこともできるので、運転中でもコーヒーを注文できるようになり、列に並ぶ必要がなくなる。
2017年の1月にAmazonとFordは、音声コマンドを使ってエンジンの始動やドアの施錠と解錠、音楽の再生といったスキルを実行できるように、共同開発を進めると発表した。
AmazonのAlexaは、ブレークスルーをすでに果たしたように見える。というのも、「Siri」や「Google Assistant」などほかの音声アシスタントと違って、Alexaは、デバイスと対話するほかの操作方法と競合しないようになっているからだ。むしろ、新しいことをしている。スマートフォンでは、オンスクリーンキーボードのほうが簡単なので、Siriが振るわない。一方、家の中では(あるいは、車中でも)、音声コマンドのほうがずっと理にかなっている。
まだ結論を出すには早いが、Alexaは(もちろん消費者向け分野に関してだが)、標準インターフェースのひとつになる可能性が大いにある、と筆者は考える。自動車業界とのタイアップも実現すればの話だが、少なくとも住宅用のOSにはなりそうだ。そうなれば、Amazonは無視できない有力な勢力になるだろう。
「Windows」はデスクトップを制し、「Android」と「iOS」はスマートフォンの覇権をかけて争っているが、目下のところ、スマートホームで優位に立っているのはAlexaである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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