家庭にあるテレビやエアコン、冷蔵庫などの家電品、PCやスマートフォンなどのICT機器が連携して機能するスマートホームは、スマートスピーカやAIスピーカなどと呼ばれるデバイスを介して音声コマンド操作するイメージが強い。そんなイメージは、例えばAppleの「HomePod」、Googleの「Google Home」、Amazon.comの「Echo」などによって作られたのだろう。
ただし、音声コマンドが常に最適なユーザーインターフェイス(UI)であるとは限らない。目的や状況によっては、慣れ親しんだ壁にある照明スイッチのように、決まった場所に専用のコントローラを設けた方がよい場合も考えられる。しかし、ハードウェアのコントローラを取り付けようとすると、その都度工事が必要になり、進化し続けるであろうスマートホームの柔軟性を損なってしまう。
そこで、Appleは仮想的なコントローラを壁に投影する技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間9月26日に「FLEXIBLE ROOM CONTROLS」(特許番号「US 9,772,720 B2」)として登録された。出願日は2016年6月14日、公開日は2016年10月6日(公開特許番号「US 2016/0291801 A1」)。
この特許は、プロジェクタで壁にスイッチやコントローラなどの映像を投影し、手などによるユーザーの動きをコントローラなどに対する操作として使う技術を説明したもの。動きの検知には、人間に認識されない赤外線を利用するとしている。
赤外線に反応する光学スキャナは、手などの位置に加え、壁から手までの距離を判定できるようになっており、距離を操作用パラメータに反映させられる。壁に触れたことに反応させたり、ジェスチャーに意味を持たせたりすることも可能だ。
さらに、ユーザーの動きに応じて新たなコントローラを壁の別の位置に投影する、といった連続動作も実行できる。
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