PCメーカーのVAIOは、モバイルPC「VAIO S」シリーズの約2年ぶりとなる新製品を発表した。新VAIO Sシリーズは、11.6型の「VAIO S11」、13.3型の「VAIO S13」、15.5型の「VAIO S15」のコンシューマモデル3製品に加え、同じく法人モデルも3製品の計6製品を展開。ロケーションフリー、ストレスフリーをコンセプトに掲げ、いずれもデザインにこだわったほか、「VAIO S11/S13」は軽量化、拡張性、長時間バッテリに加え、PCでは世界初となる下り最大450Mbpsの高速通信に対応するLTEチップセットを搭載する。
また併せて法人向けには、遠隔でのデータ消去や、Wi-Fi環境下でも端末を識別しよりセキュアにデータ通信ができるといった、ビジネスソリューションサービスも提供予定だ。
6月の就任以降、初の新製品発表会に挑んだ、VAIOの吉田秀俊社長は冒頭の挨拶で、コンシューマモデル、法人モデルあわせて一挙6製品を投入することについて、「VAIO株式会社としてソニーから独立してから3年が経ち、ようやく独り立ちができた回復の証。今後の成長戦略においても、極めて重要な新製品になる」と紹介した。
LTE対応となる「VAIO S11/S13」では、必要なときに必要な容量だけ、Windowsストアからその都度購入して使える、Windows 10のプリペイド型データプラン「Cellular Data」が利用可能。マイクロソフトが6月のCOMPUTEXで発表した「Always Connected PC」構想に、日本のPCとして初めて対応する。これを受けて、日本マイクロソフトの梅田成二氏がゲスト登壇。同社が掲げる「Always Connected PC」構想について「LTE接続を前提に、PCのユーザー体験を高めていこうという取り組み」と紹介した。VAIOとマイクロソフトは今後、テレワークを軸とする働き方改革の推進に向けても、協力体制を築いていくという。
VAIOではすでに、LTE対応PCに向けて自らMVNOとして「VAIOオリジナル LTEデータ通信SIM」(1万4200円/年)を提供しているが、今回は前述の「Cellular Data」に対応するSIMをバンドルする。その理由について、PC事業本部長の林 薫氏は、LTE搭載モデルを購入しながら、うち25%が「当面SIMを入れて使用する予定はない」と回答したという、アンケート調査結果を紹介。「月契約、年契約の通信プランへの加入が、LTE利用の大きな障壁になっている。もっと手軽に利用できるしくみを用意したかった」と説明した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」