「インスタ映え」、つまりInstagram映え(インスタジェニック)という言葉をメディアで耳にすることが増えてきた。同時に、Instagramに写真を撮って投稿するための消費である「インスタ消費」が、経済に影響を与えることも増えてきている。たとえば、愛知県犬山城の城下町は、色鮮やかなインスタ映えする「恋小町だんご」のヒットなどにより、1〜7月の入場者数が前年同期比で1万5000人ほど多い33万人となっている。
そんな中、女子高生たちのInstagram信仰、ビジュアル信仰が加速している。ジャストシステムの「モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査」(2017年8月度)によると、Instagramを現在利用している割合は、10代女子が62%と極めて高く、20代女子が54%と続く。
10、20代女子は、「流行のファッション情報」「人と違うファッション情報」「コーディネートに関する情報」「自分に合ったファッション情報」などのファッション関連の情報は、検索サービスやその他SNSではなくInstagramを利用する割合が高い。Instagramで流行や人気のアイテムを検索して購入するのだという。
ビジュアル的な情報を検索・収集するためにInstagramを利用するのは妥当だが、彼女たちの利用はそれだけにとどまらない。「自分の好きな企業やブランド」「自分の好きなメディアやサービス」「世の中で話題になっている情報」などについても、Instagramで探す割合が他の年代と比べて高いのだ。情報をビジュアルで集める時代となってきているというわけだ。
女子高生におけるインスタ映え事情と問題点について見ていきたい。
以前から、「(SNSに)投稿できないなら食べたり出かけたりする意味がない」という高校生はいた。最近はその場がInstagramとなっている。どうせ投稿したり、お金を使ったりするならインスタ映えするものがいいというのが、彼らの中で判断基準となっているのだ。
女子高生たちにとって、Instagramと言えば自撮り(セルフィー)がセットになっている。自撮りをする際にいかに良い背景になるか、彩るアイテムとなるかがポイントなのだ。顔の近くに置いて写して綺麗なもの、可愛いものがポイントとなる。アイテム自体の造形だけでなく色合いも重要だ。
「元々はカラフルなのとか嫌いだったんだけど」とある女子高生は言う。「でもシンプルなものってインスタ映えしないし、友だちにもウケない。ピンクとかカラフルとかパステルカラーとかがウケるから、あまり好きじゃないけどそういうものを買うようになった」。
その女子高生はさらに言う。「喫茶店とか行ったら、パンケーキとかスイーツとか食べないといけない感じ。甘いものは得意じゃないけど、一応頼んで無理やり食べてるかな」。インスタ映えを求めて自分の好きではない色合いのものを購入したり、食べたくないものを食べたりしているというわけだ。
彼女の友だちは、志望校も制服だけで選んだという。自宅から乗り換えが多くて行きづらい場所にあったが、「制服ディズニーやったら絶対可愛いから」という理由で選んだそうだ。最近は女子高生にウケそうな可愛い制服にリニューアルしている学校も多い。その中でも彼女たちのセンスにマッチし、インスタ映えする制服の学校が選ばれているのだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力