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新生シャープは真価問われる2年目に突入--「海外拠点との会議は英語化したい」

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8Kはこれまで経験したことのないリアリティと新発見をもたらす

 シャープの代表取締役社長の戴正呉氏は9月8日、「さあ、グローバル市場へ!」と題した社員向けメッセージを、社内イントラネットで配信した。

 冒頭、6月23日~8月21日まで「社長就任1年間の感謝の気持ちを込めて行った」とする株主対象の「謝恩祭」について報告。「『このような施策は、シャープの株主になって初めてであり、心から感謝している』、『より一層、シャープを応援しようと思った』など、多くの激励の言葉をもらった。なかには、苦手なパソコン操作に悪戦苦闘しながらも、当社を応援するために株式を購入した株主もいた。このように、応援してくれる多くの株主がいる。今後もこうした方々の期待に、全力で応え続けるとともに、折に触れ、さまざまな形で感謝の気持ちを伝えていきたい」とした。

 今回のメッセージは「さあ、グローバル市場へ!」と題したように、グローバル戦略に触れる内容となった。

 最初のテーマが、「グローバル事業拡大戦略」である。ここでは、「AQUOS 8Kの世界4地域同日発表」、「欧州事業の本格拡大」、「IoTエレクトロデバイス」について触れた。

 「AQUOS 8Kの世界4地域同日発表」では、8月31日に、世界初の8K対応テレビおよび8K映像モニタである「AQUOS 8K」シリーズを、日本、台湾、中国、欧州の世界4地域で同日発表し、日本では97人、台湾では76人、中国では91人、欧州では109名人のメディアが出席。8KエコシステムやAQUOS 8Kの特徴について説明し、10月には中国で、12月1日には日本で、2018年2月1日には台湾で、2018年3月には欧州で、順次、発売していくことを発表。「各国の発表会の出席者からは、『テレビ市場そのものをもう一度シャープが牽引していくのではないか』、『いままでにない事業のスピードを感じた』、『8Kやテレビ事業にかける思いが伝わった』、『手の届く価格の実現に驚いた』など、高い評価や期待の声をもらった」とした。


 そして、「世界4地域同日発表は、新聞やテレビ、ウェブニュースなど、さまざまなメディアで一斉に取り上げられ、大きなPR効果があった。だが、これはまだ序章にすぎない。今後も、テレビCMやイベント、デビュー販促施策、展示会への出展など、前例のない強力な施策を展開し、『AQUOS 8K』を大きく育てていきたい」とした。

 また「8Kは、これまで経験したことのない2つの価値をもたらす」とし、「1つは、『圧倒的なリアリティ』。実物がそこにあるかのように映し出すことで、驚異的な臨場感や立体感が得られる。もう1つは『新たな発見』。いままで映らなかった細かなものまで映し出すことで、これまでになかった新たな用途が広がっていく。こうした8Kの素晴らしさを世の中に広め、8K市場拡大の起爆剤となるのが、今回発表した『AQUOS 8K』になる」とし、「早川創業者(シャープの創業者である早川徳次氏)は、1953年に、国産初のテレビを他社に先駆け量産し、人々の生活を大きく変えた。今こそ私たちは、創業以来受け継いできた、この創意の遺伝子を、いかんなく発揮する時である。全社一丸となって、8K市場を一気に立ち上げよう」と呼びかけた。

「守りから攻めへ」のターニングポイントはまさに今

 欧州事業の本格拡大では、9月1~6日に、独ベルリンで開催したIFAにおいて、2012年以来、5年ぶりに出展したことを報告。「『SHARP IS BACK!』をテーマに、AQUOS 8Kの発表だけでなく、テレビやオーディオ機器、白物家電のラインアップの本格拡大、さらには、2018年度第1四半期(2018年4~6月)におけるスマートフォン市場への再参入を打ち出し、シャープが欧州市場に戻ってきたことを力強く宣言した。私たちの手で、欧州市場においても、再び、シャープブランドを光り輝かせていこう」とした。

 そして、IoTエレクトロデバイスでは、「これまでも、グローバルの顧客に対してビジネスを展開してきたが、8月10日には、半導体レーザー事業に関して、新たな設備投資を決定するなど、今後もキーテクノロジへの投資をさらに強化し、革新デバイスの創出を加速して、さらに多くの顧客獲得を目指していく」とした。

 ここでの総括として「これまで、再三『守りから攻めへ』、『構造改革から事業拡大へ』と話をしてきたが、まさに、いまがそのターニングポイントである。ここから本格的にグローバル市場に展開し、事業拡大を加速していこう」と呼びかけた。

 2つめのテーマが、「グローバル事業拡大を支える経営基盤の構築」であった。ここでは、「一国一販社体制の構築」、「ガバナンスの強化」、「英語力の強化」という3点から説明した。

 一国一販社体制の構築では、9月8日に、マレーシアの販売会社であるSRSSCと、シンガポールの販売会社のSRSの共同経営パートナーであるROXYとの合弁契約を解消し、両社をシャープの100%子会社とし、10月には、SRSSCを、SHARP (Malaysia) Sales &Service Company(SMSS)、SRSをSHARP Singapore Electronics Corporation(SSC)へと、それぞれ社名変更するとともに、両国の販売体制を再構築していくことに触れ、「これは、シャープエレクトロニクスマーケティング(SEMC)、シャープビジネスソリューション(SBS)、シャープエンジニアリング(SEK)の国内3社を統合して、10月1日に新たに発足するシャープマーケティングジャパン(SMJ)と同様に、限られたリソースを有効活用し、効率的に事業拡大を進めるために取り組んでいる一国一販社体制構築の一環」と位置づけた。

 ガバナンスの強化では、「グローバルに事業を拡大するうえでは、従来以上に海外拠点の管理、統制が重要となる。これをおろそかにしては、たとえ事業拡大ができたとしても、将来、重大な問題を引き起こしかねない」と強い意思を示した。

 ただ、戴社長は「私は、夏季休暇中にASEANの各拠点を視察する予定だったが、シャープと鴻海グループの戦略ミーティングに急遽出席するため、1年ぶりに中国に行くことになり、その後も、台湾、欧州と3週間にわたり、海外出張をしてきた。今回、視察が叶わなかったASEANは、当社にとって、非常に重要な地域であり、近々視察し、経営指導したいと考えている」とした。

 そして「今後も、ASEANに限らず、各地域において、トップマネジメントや監査部門による定期的なチェックを行い、さらなるガバナンスの強化に取り組んでいく」と述べた。

 英語力の強化では、「私が日々感じていることの1つに、シャープには、英語を話せる人が少ないということがある」と前置きし、「当たり前のことだが、グローバル競争を勝ち抜くうえで、英語力は必須である。英語力の強化を図るために、まずは近い将来、海外拠点メンバーとの会議は英語で行うようにしたい。皆さんもぜひ、自身の英語力の向上に励んでほしい」とした。

 「グローバル事業拡大を支える経営基盤の構築」のまとめとして、「グローバル事業拡大を成功させるためには、それを支える経営基盤の一層の強化が必要である。今後も、こうした観点の改革に、継続して取り組んでいく」と述べた。

新生シャープは真価問われる2年目に突入

 

 3つめのテーマが、「学ぶ環境づくり」である。「会社の成長には、その担い手であるみなさん一人ひとりの成長が、何よりも大切なことは言うまでもない」と社員に呼びかけながら、「6月から、管理力向上研修を開講している。この研修は、皆さんの自己学習を支援する取り組みであり、基本を学ぶ『eラーニング』と、応用を学ぶ『集合研修』の2つから構成し、現在は、先行して『eラーニング』の15コースを開講している。しかし、これまでは、自己学習でありながら、社内でしか受講できないなど、学習環境に制約があった。そこで、当初の予定を1カ月前倒しし、10月から、個人の自宅のパソコンでも受講できるようにし、より柔軟な学習環境を整備していく。さらに、今後は、AIoTや8Kエコシステムなど、みなさんの関心の高いテーマのeラーニングを開講するとともに、9月21日には、集合研修として『財務諸表の見方』を開催するなど、研修をより一層充実させていく。これを機会に、積極的に受講し、自らの成長につながることを期待する」とした。

 「最後に」として、戴社長は、10月3日から開催予定の「CEATEC JAPAN 2017」について言及。「この展示会は、欧州のIFAと同様に、当社の事業拡大を進めるうえで、極めて重要な意味を持つ。当日は、『8KとAIoTで世界を変える』をテーマに、さまざまな展示を行うとともに、COCORO+に関する新たな展開をはじめとしたAIoTに重点を置いたプレゼンテーションを予定している。関係部門は、万全の準備で当日を迎えるとともに、来場者に対して積極的な提案を行い、ビジネスの拡大につなげるという、貪欲な姿勢で臨んでほしい」とした。

 また「新生シャープは、その真価が問われる2年目に突入した。今後、私たちが戦う土俵は、グローバル市場である。全社員が、いま一度、マインドを切り替え、世界にシャープの名をとどろかせていこう」と締めくくった。

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