ドローンによるオンデマンド配達サービスが、アイスランドの首都で利用できるようになりそうだ。レイキャヴィークの消費者は、無人のドローンシステムで食品や日用品を配達してもらえるようになる。同市の入り江を横断して荷物を運ぶことで、通常の配達時間を20分短縮できる。アイスランド最大のオンラインマーケットプレイスであるahaが、ドローン技術を手がける企業Flytrexと提携してサービスを開始するという。
この取り組みは、いずれ顧客の玄関先に荷物を配達できるようにするための大きな一歩だが、現時点ではまだ問題が残っている。アイスランドの運輸当局(ICETRA)はFlytrexとahaに対し、レイキャヴィークの一方の側にある店舗やレストランから同市を横断し、指定した場所まで、無人ドローンを利用して食品や日用品を配達する許可を与えた。
配達場所に制約を設けることで、ドローンによる配達システムの利点が制限されるのは避けられないが、現状では世界の他の地域がそうであるように何もしないよりはましだ。試験導入の期間でうまくいけば、ドローンを都市環境に導入する際の安全性を考えて、より多くの都市がこのモデルにならう可能性がある。Flytrexの共同創設者で最高経営責任者(CEO)のYariv Bash氏は、数カ月以内に荷物を顧客に直接配達できるようにすることが目標だと述べている。
アイスランドがドローン技術をいち早く導入したのは偶然のように思われるかもしれないが、実際にはきわめて単純な理由がある。それは、アイスランドの規制当局が最初にこの種のプロジェクトを承認したからだ。Bash氏は米ZDNetの取材に対し、次のように述べている。「アイスランドでは、ドローンによる配達に関して承認済みの指針や規制がなかった。われわれは、Flytrexのシステムを実現するために規制当局の厳しい承認プロセスを踏んだ」
「アイスランドの民間航空局は、ドローンによる配達が現在ではもう夢物語ではなく、企業と消費者の双方に広範な利点をもたらす輸送システムであることを理解している」(Bash氏)
ドローンによる配達サービスは、許可が得られればどこででも実現するだろうが、レイキャヴィークは試験導入するには素晴らしい都市だ。というのも、海岸の地形を見ると、車での移動が困難なのは明白だからだ。ドローンなら、配達ドライバーが迂回しなければならない川や半島のすぐ上空を飛行できる。Bash氏は次のように述べている。「ドローンを利用すれば、ahaは配達時間の大幅な短縮を顧客に保証できる一方で、経費を削減できる。加えて、レイキャヴィークは都会とはほど遠いので、消費者の裏庭に直接荷物を配達するには完璧な都市だ。そのためわれわれは、そうした次の段階に進めることに興奮している」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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