HTCが、仮想現実(VR)システム「Vive」の価格を200ドル引き下げた。Facebookによる「Oculus Rift」の値下げに追従する動きだ。
HTCはブログ記事で、Viveシステムの価格を599ドルとすることを発表した。このバンドルには、ヘッドセット、センサ、モーションコントローラが含まれる。Oculusは7月、Riftと「Touch」を期間限定で399ドルで販売するとしていた。OculusとHTCはともに、ソニーの「PlayStation VR」を追う立場にある。399ドルのPlayStation VRはこれまでに、100万台以上を売り上げている。
民生市場を見るならば、HTCの価格引き下げにあまり効果はないと論じることはたやすい。しかしHTCによると、Viveハードウェアには、エンタープライズパートナーとしてIntel、UPS、Volkswagen、Salesforceが名を連ねている。
UPSは先日、ドライバーの訓練にVRとViveを利用する方法について概要を明らかにした。599ドルのViveは、概念実証のための試験をしたい企業にとって手頃な製品となっている。
HTCは、さらに多くの世界的なブランドパートナーを2017年後半に発表するという。
Viveがゲーム業界でのシェア拡大を図っているのは間違いないが、HTCに商機があるのはエンタープライズ分野かもしれない。拡張現実(AR)の方が最初は用途が多くなるというのは確かだが、HTCのViveは、トレーニングや保守といった企業の業務用に人気を集める可能性がある。実際、開発者らは既に、ViveやRiftに傾きつつあるようだ。
エンタープライズ分野にHTCの商機があると考えられるもう1つの主な理由は、同社が、企業での利用に早くから着目した数少ない企業の1社であることだ。Microsoftの「HoloLens」はVRとともに語られるが、どちらかというとARに近い。「Google Glass」もやはりVRというよりARだ。
こうしたことを考慮すると、HTCの値下げは、大勢の消費者を獲得することよりも企業への効果が大きいかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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