約1世紀にわたり、IBMは経済政策に関する助言機関の一員として、米大統領に専門知識を提供してきた。米国時間8月16日、その歴史に終止符が打たれた。先頃、バージニア州シャーロッツビルで起きた暴力事件について、Donald Trump大統領が物議を醸す発言をしたことを受けて、2つの助言機関が解散されたからだ。
IBMの最高経営責任者(CEO)のGinni Rometty氏は16日、従業員に宛てたメモの中で、「この1週間、私たちは国家として、そして企業としての自分たちの価値観に反する公の出来事や発言を目にし、耳にした」「この組織はもはや設立当初の目的を果たせない。今日、(戦略政策)フォーラムの他のメンバーと話して、組織を解散することで合意した」と述べた。
先週末シャーロッツビルに集まったネオナチや白人至上主義者、クー・クラックス・クラン(KKK)のメンバーを明確に非難しなかったことで、Trump大統領は批判を浴びた。それを受けて、多くのCEOがそれぞれ所属していた大統領助言委員会を離脱している。これらのヘイト団体が参加した抗議活動は、大規模な暴力事件を引き起こし、3人の死者を出した。
戦略政策フォーラムに加えて、大統領助言組織の製造業評議会も解散した。14日、IntelのCEOであるBrian Krzanich氏は製造業評議会のメンバーを辞任することを明らかにした。Krzanich氏に先だって、MerckのCEOであるKenneth Frazier氏も同評議会を辞任している。
CEOの辞任が相次ぐなか、Trump大統領は15日、「彼ら(CEO)の代わりはいくらでもいる」とツイートしていた。さらに、両評議会を解散することもツイートで発表した。
Rather than putting pressure on the businesspeople of the Manufacturing Council & Strategy & Policy Forum, I am ending both. Thank you all!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年8月16日
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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