「どっちメインでコミュニケーションしているかで仲良くなれるタイプかどうかを判断するかも」と先程の女子高生は教えてくれた。「Instagramは使うけど、きれいすぎて疲れるから、Twitterもしっかり使っている方が本音が分かって好き」。彼女にとってはInstagramはファッション誌のようでキラキラしすぎており、本音が出せないところが苦手だという。「でも、インスタをやらないと浮くから、インスタもやっている」。
「何派」というのは、高校生世代の関心事となっている。たとえばLINE Qでは、「Twitter派かインスタ派か」「LINE派かTwitter派か」「Twitter派かFacebook派か」などの、メインで利用するSNSを聞く質問が多数投稿されている。中には、「まだInstagramを使っておらずTwitterメインだけれど、おかしいのか」という質問も投稿されている。
もちろん、Instagramやインスタ映えのするものを純粋に好む女子高生も多い。しかし、その陰には仲間はずれになりたくないとか、浮きたくないという理由で利用している女子高生も少なくないようだ。高校生たちの間には流行に乗り遅れないようにしたいという意識が強く働いているのだ。
Instagramはファッション誌のように楽しめるSNSであり、多くの女子高生たちに好まれている。しかし、英王立公衆衛生協会(RSPH)の報告書(2017年5月)によると、Instagramは他のSNSよりも若者の心に不安感や孤独感、いじめ、外見への劣等感などの否定的な影響を多く与えることが分かっている。本当は“盛った”写真だけが投稿される場なのだが、Instagramに投稿されていることがすべてだと考えてしまうと、そのように感じるのは仕方がないのかもしれない。
iPhoneと同様Instagramも多数派となりつつあるが、保護者世代はそのようなツールは無理してまで利用するものではないことを、子どもたちに伝えてあげてほしい。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/
Twitter:@akiakatsuki
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