パナソニックは7月31日、2018年3月期第1四半期(4~6月)の連結業績を発表した。車載関連事業の伸長により、売上高は前年同期比5%増の1兆8653億円、営業利益は同17%増の839億円となり、増収増益を達成。当期純利益は前年から196億円増の488億円となった。取締役執行役員CFOの梅田博和氏は「2017年は増収増益に転じる年として位置づけており、第1四半期から順調なスタートが切れた」とコメントした。
セグメント別では、アプライアンス、エコソリューションズ、オートモーティブ&インダストリアルシステムズで増収増益を達成。アビオニクスの減収が響いたコネクティッドソリューションズのみ売上高が横ばい、営業利益では減収となった。
特に好調だったのは、オートモーティブ、エナジー、インダストリアルを持つオートモーティブ&インダストリアルシステムズ。「スペインの自動車部品メーカーであるフィコサの新規連結が大きく寄与したほか、車載用電池が円筒形、角形ともに伸長。液晶パネル事業も収益を改善し、全体では増益となった」(梅田氏)とした。
液晶パネル事業は「2017年3月期の第2四半期まではテレビパネルを販売していたが、第3四半期にはそれをストップし、収益を重視した医療、産業、車載向けに振り替えた。ただし、パナソニック液晶ディスプレイは赤字になっており、2019年度の黒字化を目指す」と、現状を説明した。
今期落ち込んだコネクティッドソリューションズのアビオニクスは、航空機の需要減が原因。梅田氏は「アビオニクスは2017年3月期の第1四半期までは絶好調だった。特需が終わった関係で第2四半期以降は平常化してきている。今回の決算では減収減益となったが、シェアは落ちておらず、この動きは継続しないと見ている」と話した。
そのほかアプライアンスは、日本、中国地域でのエアコン販売が好調で、天候不順によるアジアの落ち込みをカバー。食品流通では、北米のショーケースなどの需要が低迷しているが、これは生鮮品がアメリカではeコマースで購入するケースが増えているためと分析した。
また、テレビやデジタルカメラといったAV家電が成長したAVCでは「ハイエンドのミラーレス一眼カメラ『LUMIX DC-GH5』がプロ向けも含めてグローバルで人気を獲得している。これがAVC事業の増益幅で一番大きい」(梅田氏)とした。
懸念材料は原材料価格の高騰だ。梅田氏は「銅や鉛などを扱うアプライアンスの影響が一番大きい。しかし業界以上の成長を実現した日本の家電事業や高付加価値商品へのシフトにより全体では増益となった」とした。
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