1億円以上をターゲットにしたフルサポートの家作り「社長の邸宅」--VRで実体験

 建築設計事務所のフリーダムアーキテクツデザインは7月26日、1億円以上の富裕層向け家づくりプロジェクト「社長の邸宅」を開始した。土地探しからVRを用いた住宅イメージの共有など、納得のいく家づくりをサポートする。


左から、フリーダムアーキテクツデザイン設計企画部長の長澤信氏、代表取締役社長の鐘撞正也氏、ハウズ・ジャパン代表取締役の加藤愛子氏

 フリーダムアーキテクツデザインは、1995年に創業した建設設計事務所。年間約400棟の住宅建築を手がける。平均工事金額は約2500万円で、求めやすい価格で設計から請け負うことが特徴だ。

 「1億円以上の邸宅を手がけるケースが年に2~3回ある。クライアントにヒアリングしてみると、住宅展示場に行ったり、ネット検索で調べたりしているケースが多く、さらに8割の人が土地から探していることがわかった。社長の邸宅では、建築家とインテリアコーディネータの双方をそろえ、家の設計から、内装までをトータルでプロデュースし、富裕層における適切な依頼先になっていきたい。豪邸の市場をフリーダムアーキテクツが取りに行く」(フリーダムアーキテクツデザイン代表の鐘撞正也氏)と意気込みを話した。

 社長の邸宅では、設計段階でVRを用意することで、家の間取りや作りなどを確認できるほか、日当たりを日時で確認する「ソーラーシミュレーション」などを提供。バング&オルフセン、テクノジム ジャパン、セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ、ニチエス、ジャクソン、グローエジャパン、トーヨーキッチンといった、音響、家具、全自動衣類折りたたみ機などの各メーカーと連携することで、VR上にそれらの製品などをデータの形で反映させられる。


「ソーラーシミュレーション」の一例。窓の大きさを抑えるとあまり日が入らないことがわかった

そこで、窓の高さを大きく取ることで、部屋の置くまで日の入る明るいリビングを実現したという

 VRは、BIMソフトウェア「REVIT」、クラウドサービス「Autodesk LIVE」、3Dゲームエンジン「Autodesk Stingray」にヘッドマウントディスプレイ「HTC Vive」を連携させたワークフローを確立。設計段階から住宅の完成イメージを見られるほか、家の中を歩き回ることもできる。


設計段階からかなりリアルなVRを作ることができる。リアル(左)とVR(右)で比べても遜色がない

 大きめの家具の配置などを、図面の状態から確認できることで、理想的な配置ができるほか、リビングの近くに運動器具を置きたいなど、生活の動線を考えた家作りが可能だ。

 また、家作りのプラットフォームを提供する「Houzz(ハウズ)」と連携することで、世界中の建築家やデザイナーから人選することも可能。好みのインテリアコーディネイトを画像で保存し、家作りに役立てることもできる。


「Houzz」では、世界中の建築家、デザイナーらのプロフィールを見ることができる

 鐘撞氏は「9月末までにVRにおけるプレゼンを20本限定で実施したい。中期的には年間受注100件を見込んでいる。日本における1億円以上の注文住宅件数のデータが見つからなかったが、100件は大変チャレンジングな数字だと思っている」と今後の展開を話した。

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