英会話大手のイーオン、VRで現実感ある学習ができるアプリを公開

 英会話教室の大手であるイーオンは7月18日、VRに対応した英会話学習アプリ「英語でおもてなしガイド(VR対応)」の提供を開始した。外国人観光客に英語でコミュニケーションしながら案内するシーンをVRで再現している。iPhoneとAndroidスマートフォンに対応し、アプリをインストールすれば市販のVRヘッドセットに装着するだけで学習できる。VRモードと通常モードに切り替えが可能。料金は月額980円(8月末までは600円)。

 同アプリは、イーオンが提供する「英語ボランティアガイド初級コース」をVR化したもの。ユーザーが外国人旅行者役やガイド役になりきって英語でコミュニケーションすることで、観光ガイドの実践的な英語力を養えるという。受け答えの内容によって、相手の反応やストーリーが変化するマルチエンディングを採用しているため、飽きることなく繰り返し学習できるとしている。

「英語でおもてなしガイド(VR対応)」
「英語でおもてなしガイド(VR対応)」

 アプリは「事前学習パート」と「会話学習パート」の2部構成になっている。事前学習パートでは、クイズ方式や穴埋めなどで単語や文法、リスニング問題などを解くことで基礎英語力を高める。そして会話学習パートでは、外国人旅行者役やガイド役の立場で英会話を練習する。自身の発音を録音して聞き直せるほか、お手本のネイティブの発音と聞き比べることが可能。

 会話する相手は、ボランティアガイドまたは外国人観光客を選択できる。基本となるConversationモードでは、英文の穴あき度合いを変えることでシナリオや表現を暗記できる。Exerciseモードでは登場のする単語や表現が一部入れ替わり、異なる言葉を使うことで英語の応用力を高められるという。さらに、Practiceモードでは、相手役が外国人の場合に、会話の途中で分岐が発生し、選んだ英文によって結末が変化するという。VRモードでは、画面中央に表示されている丸いアイコンに視線を合わせることで画面を操作できる。

 さらに、学習ログを蓄積しており、事前学習や会話学習の進捗状況によって達成率が上昇。その内容に基づいて、おすすめの学習内容を案内してくれるという。なお、楽しんで学べるゲーミフィケーションの要素を取り入れるため、ポケット・クエリーズが同アプリに制作協力しているほか、ゲーミフィケーション分野の第一人者である東京大学 大学総合教育研究センター 特別講師の藤本徹氏が監修を務めている。

イーオン代表取締役社長の三宅義和氏
イーオン代表取締役社長の三宅義和氏

 英会話教室のイーオンは1973年に創業し、2018年に45周年を迎える。現在全国に250の教室を展開し、生徒数は7万6000人におよぶという。同日の記者発表会で登壇したイーオン代表取締役社長の三宅義和氏は、イーオンでは1999年に電話レッスン、2002年にインターネットレッスンに参入し、2017年にはスマホで英会話を学べるサービス「AEON eラーニング」を開始するなど、長年にわたりインターネット学習を取り入れてきたと説明。

 VRはマーケティングやゲームなどの領域で活用されることが多いが、「教育分野も例外ではない。英語学習と没入感のあるVRは非常に親和性が高い」と語り、新アプリによって現実に近いシーンで反復練習をすることで、高い学習効果を得られるのではないかと期待を寄せた。また、人前で英語を話すことに恥ずかしさを感じる人も少なくない、日本人ならではの悩みも解決できるとした。2017年内に5000人のユーザーを獲得したいとしている。

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