Samsung Electronicsのイタリア子会社Samsung Electronics Italiaは、失語症の患者と健常者とのコミュニケーションを支援する絵文字ベースのチャットアプリ「Samsung Wemogee」をリリースした。現在Android版を提供中。iPhoneやiPadで使えるiOS版は、近日中に配信を開始するとしている。
失語症は、言語を理解したり組み立てたりすることができなくなってしまう神経疾患。脳で言語能力をつかさどるブローカ野とウェルニッケ野の損傷が原因で、脳卒中を発症した人の最大30%が、失語症を患うそうだ。
失語症になると、意思の疎通が難しくなり、他者とのコミュニケーションに大きな障害が生ずる。その結果、友人を失ったり、極度のフラストレーションを感じたりするという。
Wemogeeは、そうした失語症患者のコミュニケーションを支援するためのアプリ。英語またはイタリア語のテキストと絵文字を双方向に翻訳し、健常者との意志疎通を可能にする。インターネット経由で離れた人とチャットする際だけでなく、対面してのやり取りにも使える。
健常者がWemogeeに入力した文章は、失語症モードにしたWemogeeのアプリに絵文字に変換されて表示される。逆に、失語症モードで絵文字を並べて送信すると、健常者モードの画面ではテキストになる。
翻訳可能なフレーズの種類は、使用頻度が高いと思われる140フレーズ以上を、言語療法士のアドバイスを参考に選んだ。
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