もともとはトゥウェンテ大学とサクソン大学の学生のみを対象としていたDSIFだったが、その後、他大学の学生からの申請も受け入れ、2017年に入ってからはオランダの首都アムステルダムへの進出を決めた。
DSIF Amsterdamと名付けられたアムステルダム拠点は、母体となるDSIF Twenteからは独立した組織として設立されたが、両拠点とも「学生が立ち上げた企業を成長させる」という同じ目標に向かって協力し合っていく考えだ。
2017年9月からオペレーションを開始する計画のDSIF Amsterdamは、現在50万ユーロ(約6500万円)を目標に資金調達を行っている。アムステルダム市の下部組織であるStarupAmsterdamや、アムステルダム市内の複数の大学が共同で経営するインキュベーターAce Ventures Labの協力もあり、今のところ資金調達は順調に進んでいるようだ。
7月に入ってから、シンガポールでもシンガポール経営大学と起業家支援団体のKairos ASEANが共同でProtégé Fund(直訳すると ”弟子ファンド” という意味)と呼ばれる学生ファンドを立ち上げ、米国では数年前からRough Draft VenturesやDormRoomFundをはじめとする学生ファンドが、VCと協力して学生起業家をサポートしている。
一方日本では、ETICやStartup Weekend Japanが若者の起業を支援するためにセミナーやインターンシップを開催しているものの、”学生による学生のためのファンド” というのはまだ誕生していないようだ。
かつて産業用部品メーカーITT CorporationのCEOだったHarold Geneen氏が、「本を読むときは頭から読み進めていくが、ビジネスの進め方は全く逆だ。まず終わりから始めて、あとは理想の姿に向かってなりふり構わず突き進むんだ」と語っていたように、若者がビジネスや投資について学ぶのに1番良い方法は、実際にやってみることなのかもしれない。
(編集協力:岡徳之)
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