Facebookは、インターネット環境を提供するドローンの2度目のテスト飛行に成功したことを明らかにした。
「Boeing 737」と同程度の翼幅を持ち、太陽光発電で飛行する「Aquila」の2度目のテスト飛行は、インターネットが安定的に利用できない世界の地域にインターネット環境を提供しようというFacebookの野心的な取り組みの重要な節目となる。
Facebookは、アリゾナ州で米国時間5月22日に行われた1時間46分の飛行について、着陸直前に「構造的故障」に見舞われた第1回の飛行からの改良点とともに、ブログで詳しく説明している。
Facebookは12月、米国家運輸安全委員会(NTSB)による調査結果の中で指摘された問題は、最初の着陸に影響を与えた突風に対応できるだけの十分な空気抵抗がAquilaに欠けていたことだったと述べていた。Aquilaには現在、スポイラーが翼に追加されており、それによって着陸時の抵抗を増やし、揚力を抑えるという。
また、機体には数百もの新しいセンサ、修正されたオートパイロットソフトウェアなどが搭載されている。さらに今回は、ランディングギアがなく、着陸時にプロペラを水平にする機構が設けられている。 Aquilaは、Kevlar製パッド上に着陸し、このパッドは、Facebookが用意した細かい砂利が敷かれた区域を滑る。
しかし、水平機構は完璧には機能しなかった。Facebookがショートビデオで公開しているように、すべてのモーターが計画通りに停止したが、1つのプロペラしか水平にロックされなかった。それでもFacebookによると、着陸は「完璧に」で、「簡単に修理可能な軽微なくぼみ」がわずかにできただけで約10m走行した後に停止したという。
機体は、地域にインターネットアクセスを提供するためにゆっくりと移動するように設計されている。離陸時の速度は27mph(約43km/h)だ。太陽光エネルギーを利用し、1回あたり60~90日間飛行するよう設計されている。Facebookによると、ヘアドライヤー3台分程度の電力で飛行するという。
Facebookは、今回の飛行の最高高度について明らかにしておらず、3000フィート(約914m)を超えたとだけ述べた。
FacebookのMartin Luis Gomez氏は、「今回の2度目の飛行の目的は、データをとることにあった」と述べた。「一定の速度、方位、高度で長いテストポイントを飛行し、機体の抵抗を測定した。いわゆる『トリムショット』から取得したデータを利用して空気力学モデルを改良する予定だ。それによって消費エネルギーを予測し、バッテリや太陽電池アレイのサイズを最適化することができる」(Gomez氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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