Ankiの「Cozmo」は、2016年で最も愛らしいロボット玩具の1つだった。それが2017年には、最も注目されるプログラミング玩具の1つとなるかもしれない。
筆者が初めて目にしたとき、Cozmoは映画「ウォーリー」のロボットが実体化したような、魅力的で楽しいものだった。しかし、プログラムすることはできず、代わりに人工知能(AI)を利用した複数のゲームで遊べる仕様だった。
そのCozmoのアプリがこのほどアップデートされ、新たに「Code Lab」機能が加わったと、Ankiが米国時間6月26日に発表した。驚くようなことを7歳以上(もしくはそれ以下でも)のユーザーが実行できる、豊富なグラフィカルプログラミングの要素を提供するものだ。
Ankiの社長で共同創設者のHanns Tappeiner氏によると、Cozmoはもともとこうしたツールと合わせて提供する前提で開発されたという。それがようやく実現した今、Ankiはより高度なセンサを備えたCozmoが、他の同種製品を上回るプログラミング玩具になると見込んでいる。Cozmoは顔認識機能を備えたカメラによって知っている人の顔に反応し、笑顔などから感情を認識することもできる。また、センサを利用して移動する(SLAM:自己位置推定と環境地図作成を同時に行う)ため、より高度な訓練を施すことが可能だ。
筆者はCozmoをプログラミングして「いないいないばぁ」で遊び、笑いかけたらCozmoが踊ったりくしゃみをしたりするようにした。しかめ面をした時には静止したままだった。コードは簡単なパズルを組み合わせるようにプログラムすることができた。なお、筆者にコーディングの知識はない。
Cozmoアプリの最新アップデートでは、ユーザーがCozmoのコーディング方法を習得する足がかりとして、パズル風のプログラミング課題も多数提供されている。
CozmoのCode Labは、MIT Media LabとGoogleが開発したグラフィカルプログラミング言語「Scratch Blocks」をベースにしている。Ankiは2016年、「Python」言語によるプログラミングを可能にするSDKをリリースしており、これは高い柔軟性とハッカビリティを備えるものだったが、完全に子供に優しい作りとはいえなかった。
一方、Scratch Blocksベースの扱いやすいCode Lab言語は、子供が理解しやすいことを念頭に、まずは簡単なコーディングができる「水平方式」を使った、数十個のプログラミングブロックを提供するところから始めている。
Tappeiner氏によると、Ankiは今秋さらに本格的なアップデートを実施し、より複雑なプログラミングが可能な「垂直方式」を追加するほか、完全な機能を備えたPython SDKを提供する計画だという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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