米国土安全保障省(DHS)は、Googleおよび傘下のKaggleと協力し、空港セキュリティのボディスキャナが検出する物体を特定する新しいアルゴリズムの強化を図ろうとしている。
DHSは、Kaggleによるこのコンテストの賞金として150万ドルを提供する。コンテストは、センサが脅威の可能性を検知した際に運輸保安庁(TSA)の職員が実施するボディチェックを自動化するアルゴリズムを見出すことを目的とする。
TSAは参加する研究者らに、最新世代のスキャナが収集した画像データセット(一部「機密コンテンツ」も含まれている可能性がある)を提供する。
Kaggleのサイトには、「参加者には、さまざまな種類の物体、衣服、身体的特徴にわたってシミュレーションされた脅威の存在を特定してもらう」と記されている。研究者らは、TSAのデータセットから、ディープニューラルネットワークによって画像や物体の認識を支援する手段を探ることになる可能性が高い。
Kaggleは、2017年に入って同様のコンテストを実施している。このコンテストでは、さまざまなチームが、CTスキャンから肺がんを検出するためのディープニューラルネットワークをトレーニングした。
DHSが提供するのは、スキャナを実際に通過した一般人の画像ではない。The New York Timesによると、このコンテストにボランティアで協力することを申し出たTSA職員らによって、1000件を超える3次元ボディスキャン画像が作成された。職員らはニュージャージー州の研究施設でテストスキャナを何度も通過したという。
このコンペでは、悪意のある者が画像認識システムを欺くリスクを想定し、ボディチェックを行う検査官に取って代わるのではなく補完する技術を構築することを目指している。Kaggleの共同創設者、Anthony Goldbloom氏はThe New York Timesにそう説明した。
TSAは、スキャン装置メーカーのアルゴリズムに限られている通例の調達プロセスに代わるものとして、Kaggleでのコンペを試験運用する。DHSが言及しているように、メーカーのアルゴリズムは、プロプライエタリであるため高価で、アップデートの頻度も十分ではない。
米国防総省も同様に、独自の報奨金付きバグ探しプログラムを通じて、代わりの調達方法をテストしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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