FRONTEOは6月21日、同社の人工知能エンジン「KIBIT(キビット)」が、りそな銀行に導入されたと発表した。KIBITは、人工知能関連技術「Landscaping」と行動情報科学を組み合わせ、FRONTEOが独自開発した日本発の人工知能エンジン。
りそな銀行では、各営業店の担当者と利用者とのやりとりなどの面談記録をKIBITで解析して業務の改善に生かす。具体的には、金融商品のオススメやそれに対する利用者の反応、気にしている点などの観点で面談記録を解析し、利用者本位の取り組みにつながる記録を重要度の高い順に抽出。ニーズをいち早く効率的に把握し、対応するという。
また、日々大量の面談記録が作成されていることから、KIBITの導入より、これまでは順番にチェックしていた記録に優先度をつけることができ、重要な記録へのチェックの網羅性を高められるとしている。
さらに、りそな銀行では326店の有人店舗をはじめ、さまざまな形でアンケートとして利用者の声を収集している。その数は、1カ月で1000件にものぼるが、これまではスタッフがひとつずつ読んで仕分けし、対応をする部署に送付していたという。しかし、このやり方では内容を確認するまで時間がかかったり、仕分けの観点にバラツキやブレが生じたりすることがあったという。
ここに対してもKIBITを導入することで、過去の実際にあった記録を教師データに用いることで、効率的かつ高い精度で分類ができ、アンケート内容の把握と対応までの時間を短縮できるようになるという。
FRONTEOによると、2017年1月よりりそな銀行とともに行内のさまざまな記録を活用するPoC(概念検証)を実施。その効果を実証することで、今回の導入へとつながったという。今後は、りそな銀行の個人や中小企業の利用者を最重視した取り組みと、商品ライアップの幅広さを生かすために、KIBITの導入範囲を広げるとしている。
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