シャープ×Makuakeが生み出した“技術”を“価値”に変えるモノづくり - (page 3)

TEKION LABはここからが勝負、事業化に向け前進

--実際のページ作りにおけるこだわりのポイントは。

北原氏:今回クラウドファンディングページの制作も弊社で担当させていただいたのですが、例えば動画の出演者をあえて俳優の方にさせていただいています。これは冬単衣の特徴である「味わいの変化」を俳優の表情で伝えるためです。また動画の内容をパーティーシーンで構成していますが、買ったあとにみんなで楽しんで飲んでほしい、飲む体験を共有してほしいという思いからです。

西橋氏:ギリギリで撮影しなおしもありましたよね。

北原氏:そうなんです。トップの写真なのですが、最初撮影したものが「雪どけ感」のイメージと少し違っており、妥協はしたくなかったので構図は同じまま青白みある色味に撮り直しました。そのほうがキリっとした印象が際立つので。


動画には、味わいの変化を表情で伝えるため、俳優を起用
ギリギリに撮り直した製品カット。青白みを出すことでキリっと感を表現
ギリギリに撮り直した製品カット。青白みを出すことでキリっと感を表現

--1800万円を超える支援を集め、完売になりました。ここまでの反響は予想されていましたか。

西橋氏:木内さんにも「大成功を収めなくてはいけない」と言われていたので、もちろん売り切るつもりでしたが、完売になるとやはり驚きは大きいですね。

 ただTEKION LABとしては、ここからが勝負です。今回はスピード感を持ちながら、クラウドファンディングを実現できました。これは社内外から、新しい試みとして注目を集められたと思います。それだけにこれをどう事業化するかを今からやっていかないといけません。

 実際に今回のクラウドファンディングを通じて、社内の人間から話を聞かれることがすごく多くなりました。実はやりたかったことがあるのに、どうやっていいのかわからないという社員がたくさんいるのだなと思っています。

シャープの社内ベンチャーである「TEKION LAB」
シャープの社内ベンチャーである「TEKION LAB」

木内氏:今回の成果は、西橋さんのがんばりはもちろん、TEKION LABのCTO/博士(工学)の内海(夕香)さんの力もすごく大きかったと思います。マイナス2度というオーダーですが、注ぐときに空気に触れることで温度が上がってしまうんですね。そこを注いでもマイナス2度を実現できる研究開発をしていただいています。

 シャープが長年培ってきた技術の確かな裏打ちがあってこそ実現できたことだと思います。日本の研究開発技術は大変面白いものが多くて、地道に研究を続け、着実に改善をしていく。それは誰にでもできることではありません。まだ眠っている技術はたくさんあると思うので、そこを今後も掘り起こしていきたいです。

北原氏:支援金を集められたことはもちろんですが、今回約半年の短い期間で形にできたことは大きかったですね。この事実をしっかりと仕組みにしていって、もっと多くの日本の技術を世界に発信していきたいと思います。

木内氏:Makuakeでは、シャープのようないわゆる大企業のサポートもしていますが、スタートアップの応援もしています。大企業だからといって掲載場所が変わるわけではなく、チャレンジする人たちすべてを応援することがスタンスです。ユーザーに受け入れられるかどうか、のみが基準なので、そこはぶれずに今後もフラットな姿勢で取り組んでいきたいと思います。

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