AmazonがAmazonらしくないアプローチではあるが、とても大胆な方法で食料品ビジネスへの進出を始めている。
過去10年以上にわたり、オンライン食料品配送事業を成功させるべく苦労を重ねてきたAmazonが、Whole Foods Marketを現金137億ドルで買収することに同意したと発表した。両社は2017年の後半に取引を成立させる見通しだという。Amazonとしては過去最大規模の買収となる。
Whole Foodsの買収は、さまざまな形でAmazonを劇的に変える可能性を秘めている。なかでも注目するべき点は、過去1年半にわたって少数のコンセプトストアをデビューさせ、実店舗型の小売業に手を出す程度であった世界最大のオンラインストアが、重要な存在へとステップアップしていくことだ。
また、Whole Foodsの買収により、低コストの競合者としてその名を轟かせたAmazonに新たな高級ブランドが加わることにもなる。さらにAmazonは8000億ドル規模の米国食料品市場へ進出するという、過熱していた推測に対してついに答えを出そうとしている。
食品に対して質の高く、健康第一のアプローチを心掛ける食料品店チェーンのWhole Foodsを買収することで、Amazonは米国、カナダ、そして英国に460店舗を所有することになる。
eMarketerで食料品とEコマースを専門とするアナリストのPatricia Orsini氏はこの取引を「巨大」と表現している。「食料品のEコマースの領域で優勢な地位を維持する上で、今まで持っていなかったものをAmazonは得られる」
現時点では、AmazonはWhole Foodsに大きな変化を加える計画は持っていないようだ。Whole FoodsはWhole Foodsとして営業を続け、John Mackey氏は最高経営責任者(CEO)として残り、本社はテキサス州オースティンに留まる。
Amazonの計画に精通している人物によると、Amazonは食料品における戦略を変えるつもりはなく、また、食料品ブランドの「AmazonFresh」を撤退させるつもりもないという。また、この人物は、Whole Foodsが最終的にAmazonのオンライン食料品配送事業の一部になるかどうかを断言するには時期尚早だとも述べている。
今回の取引によりWhole Foodsで解雇が行われる予定もないという。
「Whole Foods Marketは40年近くにわたって顧客を満足させ、喜ばせ、そして、栄養を提供してきた。素晴らしい仕事をしており、今後も続けてほしいと私達は望んでいる」とAmazonの最高経営責任者(CEO)であるJeff Bezos氏はプレスリリースで述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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