自動車の自律走行技術が注目されており、自動運転車サービスの生み出す価値は2050年までに7兆ドルに達するといった予測まである。こうした最先端の自動運転車でも、自動車の仕組みそのものは我々が普通に運転している車と変わらない。どちらも、車重を支え、加速する、曲がる、止まるという重要な機能をタイヤの性能に依存している。
そのタイヤの形を維持しているのは、充填されている空気の力。タイヤの空気圧は、適切な範囲に調整しておく必要がある。高くても低くても、事故を招きかねない。しかし、空気圧が適正かどうかを目視だけで判断するのは困難だ。
そこで今回は、タイヤの空気圧などを常時監視するスマートデバイス「ZUS」を紹介しよう。現在クラウドファンディングサービス「Indiegogo」で支援募集中。
ZUSは、タイヤのバルブ部分に取り付けたセンサが空気圧と温度を調べ、レシーバと連携したスマートフォンのアプリへリアルタイムに送信するデバイス。空気圧が高過ぎたり低過ぎたりすると、警告音と画面アラートで知らせてくれる。
タイヤの空気圧が低いと、転がり抵抗が増え、燃費が悪化する。さらに、低い空気圧のまま高速走行すると、タイヤが波打つように変形するスタンディングウェーブ現象が発生し、最悪タイヤが破裂(バースト)して大事故を引き起こす。逆に空気圧が高過ぎると、タイヤが膨らんで中央部だけ極端に減る。さらに、接地面積が小さくなるためグリップ力が低下し、スリップしやすくなって危険だ。
タイヤの監視にZUSを使えば、不適切な空気圧によるこうした弊害や事故が未然に防げる。
ZUSは、圧力だけでなく温度も計測しているため、タイヤから空気が極めてゆっくり抜けていくトラブルも検出できるという。早い段階で空気漏れに気付くことで、適切な対策が施せる。
取り付けは簡単で、10分で済むそうだ。自分の車に装着しておくだけでなく、旅先で借りるレンタカーで使ってもよいだろう。
Indiegogoでの目標金額は2万ドル。記事執筆時点(日本時間6月7日15時)でキャンペーン期間は25日残っているが、すでに目標の5倍近い約9万9000ドルの資金を集めている。
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