ソニーから“おもちゃ”--約3年で12個のアイデアを商品化したソニー「SAP」とは

加納恵 (編集部)2017年06月02日 13時18分
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 ソニーが2014年から取り組む新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program」(SAP)より、6月1日に新商品「toio」(トイオ)が登場した。

 モータ内蔵で動き回る「toioコア キューブ」、コントローラの「toioリング」から構成され、カートリッジを抜き差しすることで、さまざまなコンテンツを楽しめるトイ・プラットフォーム。ソニーではtoioを引っさげ、「東京おもちゃショー2017」にも初出展した。


トイ・プラットフォーム「toio」。ソニー初出展となる「東京おもちゃショー2017」の会場で初披露した

 誕生から約3年。SAPはtoioを含む12個の新商品を生み出している。時計、学習リモコンの「HUIS」、電子ブロック「MESH」、アロマディフューザー「AROMASTIC」などジャンルはさまざま。「新規商品を生み出しやすい仕組みとして社長直轄で立ち上げたのがSAP。アイデアをスピーディに事業化、商品化、サービス化して、ユーザーにいち早く届けることでイノベーションを起こして行きたい」とソニーの新規事業プラットフォーム新規事業創出部統括部長の小田島伸至氏は、SAPの役割を説明する。

 発売するジャンルにこだわりはないが「お客様の気持ちに刺さり、かつ身の丈に合っていること」(小田島氏)と選定基準は明確だ。

 toioは、SAPから過去に登場した11個のプロダクツもサポートしてきたメンバーが立ち上げたもの。プロジェクトリーダーを務めた、ソニーの新規事業プラットフォーム新規事業創出部の田中章愛氏は「実現したいのはリアルな遊びが未来を作るというビジョン」と話す。


左からソニーの新規事業プラットフォーム新規事業創出部の田中章愛氏と新規事業プラットフォーム新規事業創出部統括部長の小田島伸至氏

 対象年齢は6歳以上。電子ブロックMESHなどの例もあるが、ここまで子ども向けのモデルを発売するのは今回が初めてになる。小田島氏は「子ども向け商品のIoT化はまだあまり進んでいない。技術を使いながら拡張していけるカテゴリだと思っている。一方でソニーは、クリエーターを常に大事にしてきた会社。子どもにはクリエーティブな創造性がある。その助けとなる商品を今後も出していきたい」とその理由を話した。

 3年間で12個の新規商材を生み出したSAP。そのスピードを小田島氏自身は「振り返る余裕がないくらい走り続けている感じ。立ち上げた事業はどれも成長している最中」と表現する。

 一方でAROMASTICは、ソニーとしては初の試みとなる専用カートリッジを毎月届ける定期サービスを開始するなど、新たな取り組みにも積極的だ。「事業部がやれないことをやるのがSAPのミッション。現状の事業部ではやれないけれど、あったほうがいいと感じるものは今後も取り組んで行きたい。そうした取り組みがきちんとできる体制は整えている」(小田島氏)という。

 ただし新規商品、サービスについては「いいアイデアが出てくればどんどん出していくが、いいアイデアが出ないようであれば出さない」と言い切る。

 今後については「発売している商品を、いろいろな販路でお届けできるように整備していきたい。また『FES Watch』のようにラインアップを増やしていくケースもあるので、1つ1つの事業でバラエティ感のある展開をしていく。引き続きお客様に喜んでいただける商品をだしていきたい」(小田島氏)とビジョンを話した。


新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program」(SAP)からは今まで11の商品、サービスが生まれている
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