KDDIウェブコミュニケーションズ(KDDIウェブ)は5月24日、豪キャンバと日本での独占業務提携契約を締結し、クラウドデザインサービス「Canva」の日本語版を展開すると発表した。
Canvaはクラウドベースのデザイン作成ツールで、ウェブブラウザ上で膨大なテンプレートから好みのものを選択し、写真のアップロードやテキストを編集することでクオリティの高いデザインを誰でも簡単に作れるのが特徴。名刺から年賀状、ウェブデザイン用のバナー、アイコンといった多種多様な使い方ができる。デザインからGIFアニメーションを作成することも可能だ。
SNS担当者やマーケターに需要の高い素材やテンプレートもあり、今までデザイナーに依頼していたバナー広告やランディングページ用の素材も、ユーザー自身で作成可能。作成したデザインはそのままTwitter、Facebookなど各SNSに投稿できる。また、Canva上でテンプレートを作成できるため、一貫したデザインフォーマットが決まっているブランド企業でも、デザイナーが作成したテンプレートを社内で共有し、必要に応じて担当者がデザイン素材を作成できる。
また、プレゼンテーション資料用のテンプレートも多数用意。デザイン性の高い資料を手間なく作ることができるほか、資料をウェブコンテンツに変換し、URLで簡単に共有することも可能。使用環境は、ウェブブラウザのほかiOSアプリを提供。クラウドベースのため、スマホで途中まで作成したデザインをPCで引き継いで作業することもできる。Android版も近日公開としている。
Canvaは無料の「Freeプラン」と、月額9.95ドルの「Canva for Work」の2種類を用意。無料プランでも、豊富な画像素材や8000種類以上のテンプレート、10人までの共有機能、28の日本語フォント、数百万点の有料写真(1ドル)が利用可能。商用利用でも問題ないという。
Canva for Workでは、有料専用の写真やイラスト、テンプレートが30万点以上利用できるほか、作成したデザインのアスペクト比変更、フォントのアップロード、独自カラーパレットの設定、テンプレートの保存、デザインの検索機能、無制限での写真とデータの保存が可能となる。
キャンバは2013年にサービスを開始。現在では世界で1000万人を超えるユーザーに利用されており、2000万以上のデザインが作成されているという。KDDIウェブとの提携に至った背景として、サービスローンチから半年のタイミングで、KDDIウェブから日本で展開したいとの連絡があったという。そのタイミングでは、まだ海外展開は時期尚早と判断していたものの、3年半の期間を経て今回の日本語版リリースに至った。
KDDIウェブでは、これまでウェブサイト作成サービスのJIMDOやTwilioを国内に導入した実績を持つ。同社代表取締役副社長の高畑哲平氏は「JIMDOを日本に導入して思うことがあった。ロゴやバナーなどをデザインする時にJIMDOでは限界があった。ウェブサイトは作れるが絵は作れなかった」とし、「デザイナーやPhotoshop、Illustratorを使える人しかできなかったデザインが簡単にできる」ツールとしてCanvaを紹介した。
また、「日本のデザインを変えたい。デザインをお願いしたい時にデザイナーの機嫌を伺いながら頼むことが多いと思う。それを自分の力で作れるようになる時代にしたい」と述べ、「日本語での展開前でも5万人以上が日本で利用している。一時期ウェブで話題になったことも背景としてあるが、言語に関係なく操作できることを証明している」と、簡単に使えるデザインツールであることをアピールした。
今後については、「難しいかもしれないが、2017年度中に100万ユーザーを目指したい。デザインは多岐にわたるため、年賀状や名刺、ウェブデザインなどでもっともっと使ってもらえる」としている。また、2017年度中に日本専用のデザインテンプレートを1万点用意するほか、印刷会社との提携によるプリントサービス、Canvaに関した相談ができる「Canva Cafe」をオープン予定。“顔の見えるサービス”を目指すという。
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