Toyota Research Institute、三菱東京UFJ銀行、スマートコントラクトジャパン、クーガー、コンセンサス・ベイス、Kaulaの6社は5月22日、Enterprise Ethereum Alliance(EEA)へ加盟(PDF)した。
EEAは、2017年2月に、企業間取引に耐えうる企業ニーズに合致したイーサリアムの業界標準仕様を策定する組織として発足。JPモルガンやUBS、クレディ・スイス、BBVA、マイクロソフト、アクセンチュア、BPなど金融機関をはじめとした欧米の大手企業約30社が創設メンバーとなっている。今回の6社は日本企業で初めてEEAに加盟するメンバーとなる。
イーサリアムはブロックチェーンの一種で、分散型アプリケーションを構築するためのオープンソースプラットフォームだ。P2P(Peer to Peer)技術をベースにしたデジタルマネーであるビットコインに対して、「スマートコントラクト(契約の自動合意・自動執行)」という概念を持つ。
契約に関する情報をブロックチェーンに書き込めるため、仮想通貨以外にも不動産取引などさまざまなビジネスシーンでの利用が想定される。イーサリアムは、不特定多数が取引承認できる、中央管理者が存在しないパブリック・ブロックチェーン(パーミッションレス型)である一方、金融機関や企業などではセキュリティや機密情報管理の観点でプライベートな許可制のシステムが必要となってくる。
限定的に取引承認者を設定するコンソーシアム型ブロックチェーン研究プロジェクトの「R3」や「Hyperledger」なども存在するが、主に金融領域で取引する目的で創設されており、特定企業や団体に限定された取り組みに留まっている。そこで、パブリックチェーンとコンソーシアム型プライベートチェーン間で相互互換性を持たせ、特定の企業や団体という枠に限定されずに利用するための取り組みとしてEAAが発足した。
なお、スマートコントラクトジャパンは、EEAから公式日本事務局として選任されている。日本国内において、ワーキンググループの推進活動や、企業向けプロモーション活動を実施。加盟申込の窓口も含めたEEAの事務局業務を担うという。
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