米連邦通信委員会(FCC)は米国時間5月18日、ネット中立性を規定する現行の規制(すべてのインターネットトラフィックを平等に扱うべきだとする考え方)を撤廃する提案を投票にかけ、2対1で可決した。これを最初の投票として、この問題に対する一般からの意見を募ることになる。FCCは8月までパブリックコメントを受け付け、2017年中に最終投票を行う予定だ。ただし、共和党所属のFCC委員が多数派を占めていることを考えると、投票によって既存の規則が撤廃される結果になることはほぼ確実だ。
Donald Trump米大統領によってFCCの委員長に任命された共和党所属のAjit Pai氏は、同じ共和党委員のMichael O'Rielly氏とともに提案に賛成票を投じ、一方で民主党委員のMignon Clyburn氏は反対票を投じた。通常、FCCは5人の委員で構成されるが、2名はまだ任命されていない。
今回の投票は、2015年から導入されている規制の撤廃に向けた最初の重要なステップであり、インターネットの仕組みを変える可能性がある。規制支持派(民主党、インターネット企業、消費者保護団体)は、より高速なアクセスに対してVerizonやComcastなどのインターネットサービスプロバイダー(ISP)が特別扱いを受けたり、高速アクセスに割増料金を請求したりできないように規則が必要だと主張しており、一方の撤廃派(共和党、ISP)は、この規則は問題が多く、イノベーションやインフラ投資を阻害すると主張している。
今回の動きはPai氏の悲願だった。同氏は、ISPを公益サービスのように規制する、既存法のTitle IIは不要だと主張している。
Pai氏はFCCの会議の中で次のように述べた。「2015年にインターネットが崩壊していたわけではない。われわれは、デジタルディストピア(デジタルの暗黒郷)に暮らしていたのではない」
公共政策団体のConsumer Unionは今回の投票を「ぞっとする」と表現した。
ケーブルテレビ大手のComcastや、米電気通信工業会(TIA)などの業界団体は、今回の投票に支持を表明した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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