フランスベッドは5月16日、赤ちゃん型コミュニケーションロボット「泣き笑い たあたん」を5月25日から発売すると発表した。希望小売価格は1万4800円(税別)。フランスベッドが運営する「リハテックショップ」や全国の介護ショップで販売する。
泣き笑い たあたんは、2001年から発売するヒーリングベイビー「たあたん」(希望小売価格:1万円)の新モデルだ。手足に触れたことを感知すると、泣いたり笑ったりする機能を搭載した。しゃべる機能や動く機能などはなく、先端のテクノロジを搭載したロボットではない。きわめて人形に近いもの。
泣き声は本物の赤ちゃんの声をサンプリングしており、背中にスピーカを備える。本物の赤ちゃんを連想させる大きさと抱き心地は従来どおりで、重さは高齢者が抱きやすい約1.4kg。
主に、認知症の介護施設や自宅などで使用することを想定した製品だ。ドールセラピーによって「可愛がりたい」「お世話をしてあげたい」といった感情や行動を促す効果があるという。
実際にモニターとして泣き笑い たあたんを介護施設で使用したところ、中度の認知症患者には、子守歌をうたったり、泣いているからお散歩に連れて行こうか、といったポジティブな感情が生まれるケースが見られたという。
入居者自身よりも“弱者”であり、社会的な存在である赤ちゃんと触れることで、「介護される」という受け身な状態から、「お世話する」という行動をとるようになるなど、豊かな感情を引き出す効果があるという。
また、認知症同士や介護者との会話も増える効果があり、介護環境における良好なコミュニケーションの構築にも役立つとしている。
フランスベッドがなぜ介護ロボットなのか。2025年には、認知症の有病者数は約700万人にのぼるというデータがあるという。フランスベッドは、認知症向けに、(1)睡眠支援、(2)セラピー用具、(3)徘徊(はいかい)感知器、(4)生活動作支援──の4つの取り組みを行っている。泣き笑い たあたんはセラピー用具の一環だ。
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